◆NHKマイルC追い切り(6日) スプリングS2着馬レッドスパーダは、坂路で4ハロン51秒3。リズムに乗った走りを見せ、発熱でニュージーランドTを回避した不安を一掃した。
坂路に入ったレッドスパーダは、キングストレイル(7歳オープン)を後ろに従えて、軽快にリズムを刻んだ。後ろから突つかれる形になりながらも、終始リラックスムード。最後まで抜かせることなく、半馬身リードを保ってゴールに飛び込んだ。
800メートル51秒3−38秒0−12秒5。G1に向かう馬としては遅めの時計だが、それこそが好仕上がりの証明だ。「最初は芝で追う予定だったが、思った以上に雨が降ったからね。日曜に速い時計を出している(3日に坂路で50秒7)し、そんなに追わなくていい」藤沢和調教師は、無理する必要がないことを強調した。
騎乗した横山典の感触も上々だ。「楽な手応えで、気分良く走れていた。先週も速いところをやっているし、あんまり無理をかけても良くないからね。馬なりで、まだまだ余力があったし、走りたそうな感じだった」と雰囲気を伝えた。発熱でニュージーランドTを回避したが、その後遺症は全く感じられない。
スプリングSは、のちの皐月賞馬アンライバルドに食い下がる2着。株を上げた。「1800メートルは長いと思っていたが、びっくりするくらい上手な競馬をしていた。体が14キロ減っていたのは誤算だったけど、回復したし、間があいたのは良かった」とトレーナー。マイナスをプラスに変えて、大一番へ臨めそうだ。
父タイキシャトルは、藤沢厩舎が生んだマイル王。その手綱も執った横山は言う。「お父さんに似てレースが上手。調教の走りができればいいところがある」98年、シャトルは仏G1のジャック・ル・マロワ賞を制覇。その姿を思い起こしてか、藤沢師は「来年はフランスに行こう」と笑った。偉大な背中を目がけ、レッドスパーダが府中のマイルを疾走する。
-スポーツ報知-