夏の福島を締めくくるハンデ重賞「第45回七夕賞」は、牝馬アルコセニョーラが狙い目だ。もともと【2205】の福島巧者で、今の外が伸びる馬場状態も末脚が武器のこの馬には絶好だ。牝馬の七夕賞優勝は88年のコーセイ以来、途切れているが、今年はアルコセニョーラが七夕の織り姫になる?
夏は牝馬。福島ならアルコセニョーラだ。これまで33戦しているが、最も多く走っている競馬場が福島(9戦)という異色のオープン馬。福島記念V、福島牝馬S2着など実績も申し分ない。現状で出走可能な紅一点。七夕の“織り姫”候補は、この馬をおいてほかにない。
ここは狙った一戦だ。福島牝馬S→ヴィクトリアM→福島テレビオープン→七夕賞は、昨年と全く同じローテーション。福島2戦の着差は昨年がともに0秒9だったのに対し、今年は0秒3、0秒4。ともに上がり3Fはメンバー最速と持ち味を発揮した。臨戦過程は昨年以上。Wコースでの1週前追い切りでも軽快な動きを披露し、畠山助手は「夏の方がいいタイプで、動きが素軽くなる。身のこなしもスムーズ」と状態に太鼓判を押した。
道悪、荒れ馬場が問題ないのも心強い。メンバー2位の速い持ち時計もあるだけに、畠山助手は「馬場はいい方が、むしろいいと思う」と決して道悪巧者ではないと強調するが、他馬が苦にする分だけプラスになるのは確か。福島2勝はともに最終週。「開幕週よりは最終週の方がいい」と舞台を歓迎した。
末脚一手だけに、アテにはしづらい。畠山助手も「展開がすべて。早めに仕掛けると脚を使えないし、うまくタメが利けばいいが、前残りだと…」と懸念を口にする。それでも、今回は昨年鮮やかに逃げ切ったミヤビランベリがいる。他馬の意識が前掛かりになる可能性は高く、流れも味方しそうだ。
ハンデ53キロも重賞2勝の実績を考えれば悪くない。牝馬は苦戦傾向の七夕賞だが、今年は終わってみれば「やっぱり夏は牝馬か」の結末も十分に考えられる。
-スポーツニッポン-