皐月賞の優先出走権(3着以内)がかかった第58回スプリングS・G2(22日、中山・芝1800メートル)の追い切りが、18日行われた。栗東トレセンでは、兄にダービー馬・フサイチコンコルドを持つアンライバルドが、Cウッドチップコースで迫力ある動きを披露。2か月ぶりの実戦も、きっちり仕上がった。
アンライバルドは2つの角馬場を使って十二分にウオーミングアップを行ってからCウッドチップコースへ。4秒ほど前を行くシングライクバード(4歳1000万)、それに続くダノンフィーバー(3歳未勝利)という隊列の一番後ろから発進。折り合いをしっかりと付け、ひたすらGOサインを待つことができる姿が、精神面で成長しているあかしだ。
馬なりで徐々に差を詰めて直線は最内へ。この地点でもひとつにならず、まだ取り残された形だったが、ためを覚えたことで瞬発力はハンパではなかった。軽い仕掛けだけで重心が下がり、一気に加速。インから並び、ラストは1馬身ほど抜け出してみせた。
6ハロン80秒1−38秒1−12秒3。「いい動きでした。前とはだいぶ離れていましたが、しっかり追いついてくれましたし、合格点です。楽しみですね」描いていた通りの調教メニューの中で、申し分のない切れ味を見せた内容を友道調教師が笑顔で振り返った。この柔和な表情が、若駒S(オープン)以来となる2か月ぶりでも完ぺきな仕上がりを物語る。
重賞初挑戦もこの馬には関係なさそうだ。のちの2歳女王ブエナビスタと、きさらぎ賞の覇者リーチザクラウンをあっさり破った昨年10・26のデビュー戦。前走は2着馬に3馬身半もの差をつける楽勝。「まだ気性面で幼い部分はありますが、末脚は本当に強烈。呼吸を合わせて流れに乗れば」主戦、岩田を虜(とりこ)にさせる決定力は、世代屈指のレベルだ。
報知杯弥生賞で無敗のV4を決めたロジユニヴァースが一歩抜け出した感のある牡馬戦線だが、西のエースが再び横一線に戻す豪脚を放ってみせる。
-スポーツ報知-