春の天皇賞の前哨戦、阪神大賞典・G2(22日、阪神・芝3000メートル)の注目馬は、ヒカルカザブエだ。前走の日経新春杯で敗退。未勝利からの連勝は4でストップしたが、態勢を立て直し、再び、勢いを増してきた。G1馬5頭が出走するステップレースで結果を残せば、その存在が一躍、クローズアップされる。
連勝が途切れたところから、再び挑戦は始まる。1月の日経新春杯(京都、芝2400メートル)で7着に敗れたヒカルカザブエ。陣営は3000メートルに距離を延ばし、古馬最高峰のG1挑戦を思い描いている。
前走は、決して壁にぶち当たったわけではない。「内で動きたい時に動けなかったから」と森田助手。最内枠が災いし、終始、インに閉じこめられて実力を発揮できなかった。直線で伸びていただけに、仕掛けの遅れが敗因と受け止めている。
昨年4月に未勝利を勝ち上がると、夏場の休養を挟み4連勝を飾った。使うごとに体重が増え、たくましくなっていった。森田助手は「もともと細かった馬が、しっかりしてきた。未勝利から一気に階段を上り過ぎたかな。前走は疲れが出ていたのか、1600万を勝った時より少し落ちた感じ。自信を持てる状態ではなかった」と振り返った。
この中間は、1か月ほど短期放牧に出すなど、立て直しの期間に充てた。「体調は戻りつつある。折り合いや精神面も、以前より成長している。けっこう遊ぶところがあるので、初距離でもこなすと思う」と森田助手。札幌で勝った2600メートルまでしか経験はないが、未知の距離にも不安はない。
鞍上は秋山に決まった。14日の中京記念を15番人気の伏兵サクラオリオンでさらったばかり。勢いのある中堅だ。菊花賞馬3頭にジャパンCの覇者…。G1馬5頭が競演する盾の前哨戦。「相手は強くなるけど、めどの立つ競馬をしてほしい」森田助手は、底を見せていない4歳馬に春の夢を託した。
-スポーツ報知-