◆CBC賞追い切り(11日) CBC賞・G3(14日、中京・芝1200メートル)へ向けて11日、昨年のサマースプリントシリーズの覇者カノヤザクラが追い切った。栗東の坂路で圧倒的なスピードを披露し、800メートル50秒3と今週の一番時計をマーク。昨年11月のスワンS(9着)以来の実戦になるが、いきなり能力全開のムードだ。昨年の2着馬スピニングノアールも元気いっぱい。8歳馬とは思えないシャープな反応で、DWコースを駆け抜けた。
得意の夏を目の前にして、カノヤザクラが“全開デモ”を見せた。坂路にさっそうと現れ、回転のいい脚さばきで一気にトップギアに入る。最初の1ハロンが、12秒1の快ラップ。うなりを上げながら、快速女王はフルスピードで飛ばした。最後の1ハロンこそ13秒7と時計を要したが、単走で800メートルを50秒3。今週の一番時計を刻んだ。
「持っていかれちゃったよ。すごいパワー。あれだけ動いたから、久々も問題ないだろう。乗ってイメージをつかめた」7か月半のブランクを全く感じさせない動きに、初めてコンビを組む武幸は驚きの声を上げた。
昨年は、アイビスSD、セントウルSを連勝してサマースプリントシリーズを制した。09年の熱い戦いは目前。前哨戦を勝って、シリーズ連覇へ勢いをつけたいところだ。「半年以上も休んでいたが、少しでも太め感があったら、この時計では走れない。51秒5前後を想定していたけど、いい方向に意外だった。すでに完成された馬。暑い時期は得意なので、期待している」と橋口調教師は満面の笑みで話した。
ハンデは55・5キロ。セックスアローワンスによる2キロの差を考慮すれば、実質的には、トレノジュビリーの57キロを上回るトップハンデとなるが、トレーナーはジョークで笑い飛ばした。「ハンデは仕方ない。何とかしてくれるだろう。0・5キロは、昨年もらった5000万円(シリーズチャンピオンへの褒賞金)の分かな」
昨年のこのレースは、出遅れもあって5着に敗れた。“タイトルホース”として、威厳を示したい一戦。休み明け、重ハンデと条件が厳しくても、引き下がるわけにはいかない。
◆過去の休み明け 3か月以上間隔があいたケースは、これまでに2度。07年8月・北九州記念5着(3か月ぶり)、08年5月・テレビ愛知オープン12着(4か月ぶり)と結果を出していないが…。
-スポーツ報知-