桜舞台に神の孫が降臨する。「第43回フィリーズレビュー」(15日、阪神、3着まで桜花賞優先出走権)の木曜追いで出色の動きを見せたのがアイアムカミノマゴ。初騎乗の福永祐一騎手(32)も桜花賞の権利獲りへ自信を見せた。
血統に精通している騎手といえば福永。実践的な血統論は凡庸な評論家よりもはるかに説得力を持っている。アイアムカミノマゴの追い切りから引き揚げてきた同騎手からこんな評価が口をついた。
「父がアグネスタキオンらしくスピードの乗りがいい。母馬(アイアムザウイナー)は気が悪かったみたいだけど、そんな面も出てない。乗りやすい馬です」
スピードの乗り、つまり加速力はスタンドから見ていても十分に伝わってくる。DWコースでゲバルトステイヤー(5歳1000万)との併せ馬。福永の手綱が緩むと、すぐにギアがトップに入り、2馬身先行した併走馬に並びかける。最後は3馬身ほど突き放した。ラスト1Fは11秒8の瞬発力だ。初めて手綱を取った福永は「ラスト1Fだけやっておくようにとの指示だったが、いいですね」と状態にも太鼓判。その傍らでは、担当の中川助手が「いい体つきをしているからビッシリやれる」と順調ぶりを伝えた。
福永は同馬の気性も1度の騎乗で把握していた。「少し集中力が足りないところがある。だから、1400メートルの距離はちょうどいいと思う。追い出してソラを使い気味のところがあったので、それを競馬で出さないように乗りたい」と続けた。デビュー当初は良績がダート短距離戦に集中していた。それが年明けに関東から転厩した後、芝路線に転向。紅梅S4着→エルフィンS4着と牝馬一線級を相手に差のない競馬を見せてきた。このあたりが成長の跡。もちろん福永もこれまでのレースぶりはチェック済みだ。
「気性に課題がありながら上位争いをしてきたあたりが能力。(展開などの条件が)バシッと合えば突き抜けるだけの力は持っている。いいポジションに付けて最後まで集中できれば上位には来ると思う」。血統、状態、気性、能力…と分析した結果、導き出した答えは「上位争い可能」だ。
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