3年前の桜花賞馬キストゥヘヴンが、中山牝馬Sでラストランを迎える。中山競馬場はデビュー戦、初勝利、重賞初V、復活Vと思い出深いコース。中間も順調に乗り込まれ、1週前追い切りでも絶好の動きを見せた。手綱が冴え渡る横山典弘騎手と久々にコンビを組み、有終Vを狙う。
06年の桜花賞馬キストゥヘヴンが、桜の季節を前に引退レースを迎える。05年12月にデビューし、4戦目の未勝利戦で勝ち上がると、フラワーC→桜花賞と3連勝で桜の女王に輝いた。しかし、その後は気性の激しさも影響し、不本意な成績が続いた。馬でも人でも近づくものは威嚇する。厩舎で特にやんちゃなブレイクランアウト(牡3)ですら、キスの前ではシュンとするほどの女王様気質。「カイバや調教など考えられることはすべて試行錯誤を繰り返しました」と斉藤調教助手が振り返る。
07年11月、美浦トレセンにニューポリトラック(以下Pコース)が導入されたことが好転へのきっかけとなった。「気分良く走れるのか、イライラしなくなった」と戸田調教師が明かすように、08年初戦の京都牝馬Sで3着と復活の兆しを見せた。それ以降の重賞で(3)(4)(2)着。安田記念はウオッカの7着だったが、休養を挟んで臨んだ京成杯AHでは、桜花賞以来2年5カ月ぶりの勝利を飾った。ここ2戦は2ケタ着順だが、牡馬混合GI、不得手な不良馬場と敗因は明らかだ。
前走後もPコースで入念に乗り込まれ、1週前追い切りでは5ハロン65秒7、3ハロン37秒3−12秒3(G前仕掛け)。僚紙競馬エイトの時計班の採点7と上々の動きを見せている。斉藤助手も「1週前にしっかりやって当週軽めは予定通りです」と最終戦に向けて仕上げに抜かりはない。
「キスがいろんなことを教えてくれました。GI、米国遠征(GIIキャッシュコールマイル4着)など、残した財産はとてつもなく大きいです」と斉藤助手は愛馬に感謝の言葉を贈る。
デビュー、初勝利、初の重賞制覇、復活勝利など、思い出がいっぱい詰まった中山競馬場で、キストゥヘヴンが有終の美を目指す。(松永昌也)
-サンケイスポーツ-