◆宝塚記念追い切り(25日) 馬場の悪化により、追い切りを1日延期したサクラメガワンダーは25日、栗東トレセンの坂路で“猛特訓”を展開した。2週連続でまたがった福永の左ムチに応えて、800メートル52秒1の一番時計。前哨戦の金鯱賞を制した勢いそのままに、豪快な動きを披露した。春の天皇賞2着馬のアルナスラインは、同じコースで53秒7。余裕を残した調整法でG1獲りを目指す。この日、出走馬14頭の枠順が決まり、昨年のダービー馬ディープスカイは、7枠11番に入った。馬券は27日に前日発売される。
四肢をいっぱいに伸ばした大きなストライドが、絶好調の証しだ。坂路に入ったサクラメガワンダーは、最初の1ハロンを13秒6で入ると、徐々にスピードアップした。
ラスト1ハロンを切り、福永が励まし続けると、さらに一段ギアを上げた。跳ね上がるウッドチップの量が一気に増える。最後は、だめを押すように、左ステッキが一発。52秒1の一番時計が刻まれた。
22日夜の雨で馬場が悪化。追い切りを1日延期した。この日も、状態次第ではコース追いに切り替えることも考えていたが、やや重まで回復。予定通りのメニューになった。「坂路で追うと、馬がシャキッとする感じ。前走時とは全く雰囲気が違う。(追い切りを)延ばして、最後に坂路でやれたのは良かった」と友道調教師。天の味方を得て、万全の仕上げを施すことができた。
先週に続き騎乗した福永は、直前でハードに追えたことを、何よりも評価した。「自分が乗るようになって、これまで直前にビシッとやったことがなかった馬。G1は、馬なりの調整で勝てるレースじゃない。これで負けたら仕方ないと思うくらいの状態になっている」
7勝中、4勝が阪神コース。うち3勝は重賞だ。友道師は「距離、コースを考えても、一番チャンスのあるG1なのは間違いない。来年になると年齢的なものが出てくる。今回がラストチャンスのつもりで臨む」と決意を口にした。
福永の思いも同じだ。「昨秋(天皇賞6着)は、正直かなわないと思ったので、その時点で『宝塚で…』と切り替えた。“地元”は、やっぱり走るからね」。ウオッカの名前こそないが、ディープスカイ、カンパニーに、東京での借りを返すつもりだ。
-スポーツ報知-