「高松宮記念・G1」(29日、中京)
春のスプリント王決定戦の追い切りが25日、東西トレセンで行われた。阪急杯で重賞初Vを飾ったビービーガルダンは、見た目以上の鋭い伸びで、上昇ぶりをアピールした。初のG1獲りへ勢いに乗っている。
ひと叩きした効果は歴然だ。休み明けの阪急杯で重賞初Vを飾ったビービーガルダンが、絶好の動きを見せた。栗東CWをキャンターで1周してから、ジェントルフォーク(4歳1600万下)と併せ馬をスタート。徐々にピッチを上げながら、終始、馬体を合わせたままで直線へ。ムチが入ることはなくても、GOサインを受けると力強く脚を伸ばした。5F67秒2-38秒1-11秒9。その反応は見た目以上に鋭かった。
上昇気流に乗った。急仕上げの前走から中3週。見届けた領家師は確かな手応えをつかんだ。「オーバーワークにならないようにした。最後も11秒台だったのでOK」と合格点をつけた。本番へ向け、疲れが残らないような調整を心掛けきてたのが奏功。「先週はちょっと追い切りが足りない感じだったが、気合も乗っているみたいで雰囲気はいい。今回はいい状態で出せそう」と胸を張った。
新コンビの武幸も気合十分。主戦の安藤勝がドバイ遠征で不在のため、依頼が舞い込んだ。「自分が予想していなかったチャンスをいただいた。何としても生かしたい」。1週前追い切りに騎乗して感触も確かめた。「先生や安藤さんから聞いたとおり乗りやすかった。この感じなら実戦も問題なく競馬できそう」と好印象を抱く。例年より時計がかかる中京の馬場も「いいと思う」と歓迎する。
骨折から復帰したあとも骨膜に悩まされるなど、低迷する日々が続いたが、軌道に乗った今は、当時とは明らかに馬が違う。「やっと完成されてきたかな」と領家師は目を細める。
昨秋のスプリンターズSに続いて、2度目のG1挑戦。「前に行けるし、不利は少ない。初の左回りもそんなに気にしていない。スタッフみんなで一生懸命に仕上げたので、必ず結果が出てくれると思う」と前を向く。本格化の時を迎えたビービーガルダンが、春のスプリント王の称号をいただく。
-デイリースポーツ-