「天皇賞(春)・G1」(3日、京都)
長丁場の経験値なら、どの馬にも負けない。トウカイトリックは春の盾へ4年連続の出走。ステイヤーにとって最も輝けるG1は年に1度だけ。別路線も狙えるほかの馬とは意気込みが違う。
昨年3月に、解散した松元省厩舎から野中厩舎へと転厩。今回で6戦目を迎えるが、試行錯誤を繰り返し調整方法もすっかり手の内に入れた。1日は栗東の角馬場と坂路で体をほぐした。「徐々に人の言うことを聞くようになった。疲れが抜けにくい馬。ここが本番だから、前走は疲れを残さないように仕上げた。今回は体にも張りが出ているし締まってきたよ」と野中師はひと叩きの効果に満足感を漂わせる。
重賞勝ちは三千四百メートルのダイヤモンドS。07年春の天皇賞ではメイショウサムソンと同タイムの3着に健闘した。「長距離向きの馬が中距離をカバーできても、中距離馬が長距離をカバーできるとは思わない。長い距離は適性が問われる」と、トレーナーは距離実績と適性の高さに胸を張る。
テイエムオペラオーで00、01年と春盾を連覇した和田も胸を躍らせる。「追い切りに乗って上積みを感じているし、今年のメンバーならやれる。うまくゲートを出したいから、この枠もいい」。(4)枠(8)番を歓迎し、野心をのぞかせた。スタミナ自慢の7歳馬が、盾獲りの大舞台でファンを魅了してみせる。
-デイリースポーツ-