「オークス・G1」(24日、東京)
牝馬2冠制覇を目指すブエナビスタは、(4)枠(7)番から発進。21日、枠順が決定。スキのない仕上げで樫の舞台に臨む桜花賞馬は、ここまで牝馬相手に4連勝中、圧倒的なレース内容で快進撃を続けてきた。追い切り翌日の21日は栗東Eで軽めの調整。元気な姿を披露して態勢は万全。初めての長距離輸送も不安はない。
牝馬2冠達成に向け、狂いはない。20日、栗東DWで6F79秒5の好時計を叩き出した桜花賞馬ブエナビスタ。その野性味あふれる走りから一転、追い切り翌日の21日は愛くるしい少女に変身。カルカソンヌ(3歳1000万下)とともに、栗東Eを軽いキャンターで半周し、厩舎周りの運動で体調を整えた。
見届けた松田博師の表情は明るい。「リラックスしていたな。後ろで(ほかの馬が)暴れたりすると気にするところはあるが、普段から落ち着いている馬だから何の問題もないよ。牝馬はうるさいようじゃ成長がないわな。とにかく変わらないのが一番」。その力強い口調には、絶対的な自信がうかがえる。
G1・11勝を誇り、オークスでも2勝。“松田博流”のハードトレで多くの名馬を送り出してきた。早くも風格が漂うブエナビスタも、長めの追い切りを数多く消化することで、コンパクトなボディーはたくましく変化を遂げてきた。「(体が)大きいと故障の可能性も高くなる。この馬はちょうどいいサイズで鍛えやすい。カイバもきっちりと食べている。昔に比べて、トモに張りが出てきたことで、体全体がしっかりとしてきた」。
光沢を放つ馬体は、腹回りがどっしりとして、トモは丸みを増している。桜花賞では上がり3F33秒3の末脚を繰り出して、直線だけでライバルたちを丸のみにした。そのエネルギーの供給源はさらに進化している。
枠は(4)枠(7)番に決定。グレード制が導入された84年以降、勝ち馬は誕生していないが、「極端に内は嫌だったが、真ん中よりも内がほしかった。これで偶数枠ならいうことはなかったが」と、希望がほぼかなって指揮官は満足げ。デビュー当初はゲートに課題があったが「これまでは競馬を知らなくて出遅れていただけ。スタンド前からの発走になるが、精神的には大丈夫でしょう」と主戦の安藤勝も不安視していない。
オークス制覇なら、仏G1の凱旋門賞(10月4日・ロンシャン)挑戦の実現に大きく近づく。「このまま変わりなく(レースに)行ければいいレースはできる」と指揮官。2冠を達成して、世界挑戦への扉を開く。
-スポーツ報知-