今週から札幌、福島、阪神で、いっせいに2歳新馬戦がスタートする。ピンクカメオ(NHKマイルC)、クーヴェルチュール(キーンランドC)などで夏の福島デビュー勝ちの実績を持つ国枝厩舎が、今年は福島で牝馬ばかり5頭をスタンバイ。早くもクラシック戦線を見据えて、大量出撃でスタートダッシュをかけるつもりだ。
福島開幕週に2頭を使い、その後も矢継ぎ早に3頭を繰り出す国枝厩舎。新馬の大量早期デビューの狙いは、年々厳しさを増すクラシック戦線を見据えてのことだ。「年を追うごとに早め早めの流れになっている。賞金を獲得しておかないと後手に回ることになるから。順調に来ている馬は早めに使った方がいい。競馬を覚えさせる意味でも1回使っておくメリットは大きい」。早めにメドを立てれば、余裕を持ってG1戦線に臨める。栗東留学をいち早く仕掛けた国枝師らしい戦略眼といえる。
開幕日に一番星を目指すのはグリーンウィズダム。近親にはハイソサエティー(4勝)、ラミアクイーン(3歳500万)など新馬勝ちした馬が並ぶ。「父フジキセキのようなスピードタイプ。十分に仕上がっている。前向きさがあるので1000メートル戦にも対応可能」と評価する。10日の坂路追い(4F51秒1)にまたがった後藤は「スピードがあり余っている。ゲートも速いと聞いているし高い素質を感じる。国枝厩舎は、ただ使うだけでなく素質ある馬をそろえているから凄いよね」と感嘆していた。
21日の5Rにはイオスが登場。04年凱旋門賞を制した新種牡馬バゴの産駒だ。母チューニーは札幌で新馬勝ちを決め、03年オークスでスティルインラブの2着。新馬戦にもクラシックにも対応できそうで頼もしい。「動ける態勢にはある。牝馬で気のいいタイプだから息さえつくれば大丈夫。距離にも対応できそうだ」と指揮官は語る。
2週目以降も素質馬ズラリ。タカラハーバーは師が手掛けたタカラサイレンス(4勝)の子で思い入れ十分。ウインマリアベールの母は重賞4勝馬ダイヤモンドビコー。「ウインは気持ちに余裕があるのがいい。うまくいけば桜花賞かな。まあデビュー前なら何でも言えるから」。照れ笑いの中に国枝師は決意をにじませていた。
-スポーツニッポン-