「キーマンの懐へ」では、マーメイドSにザレマを出走させる音無秀孝師(55)に迫った。
——ザレマにとって久しぶりの2000メートル。距離が課題になりそうです。
音無師 そうでしょうね。1400〜1600メートルくらいで見せる切れが発揮できません。ただ(この距離でも)勝ち鞍がないわけではないので、流れ次第では…という思いは持っています。
——折り合いが課題に?
折り合いはつく方だと思うので問題ありません。この距離だと最後の切れ味勝負になることが多い。そういう流れが不向きなのだと思います。
——しかし、前走(ヴィクトリアマイル4着)をはじめ、何度か折り合いを欠くことがあった。
前走はスローな流れを中団で競馬をすることになってしまいました。それで少し行きたがったかもしれませんね。
——前走は最後によく伸び、2着と1馬身ほどの差。あの感じなら2F延びてもこなせそう。
この前は、とにかく前半に全く競馬をしていません。だから、むしろ脚を残すくらいで最後までしっかり伸びてくれたのだと思います。安藤さん(勝己騎手)が今回、どう乗るかが大きなポイントになると思います。
——3走前の中山牝馬S(4着)では、メンコ(耳覆い)を着けていました。スタンド前発走だったからでしょうか?
細かい理由はいろいろあるけど、それも1つの理由でした。ただ、普段は物音に対して臆病だったりするわけではないので、その点は気にする必要はありません。
——関西で競馬をしても関東に輸送しても馬体重が変わりません。(東京の前走、中山の3走前が526キロ、阪神の前々走が528キロ、京都の4走前が524キロ)。
体が出来上がっており、輸送減りしないタイプということでしょう。牝馬では心強い材料です。
——近走の内容と大きな馬格から、ハンデ55キロも問題ない。
55キロを背負っても、それなりの競馬をしています。ただ、重賞を勝っていない馬だと考えると、ちょっと見込まれたかなという気持ちです。他の馬との差が響かなければいいのですが…。
——最終追い切りにまたがった安藤騎手は“前走より重苦しくない感じ”とのこと。状態は上向き?
状態に関しては問題ないですよ。あとは何度も言うようだけど、距離の2000メートルがどうか?ということでしょう。安藤さんがうまく乗ってくれることを期待しています。(ターフライター 平松さとし
-スポーツニッポン-