「ラジオNIKKEI賞・G3」(7月5日、福島)
“頂点”奪取の野望を抱き、イコピコがみちのく福島で重賞初制覇を目指す。前走の白百合Sを3番手から抜け出し快勝。追い込み一手の脚質から脱却し、父マンハッタンカフェ譲りの成長力を感じさせる。このあとは神戸新聞杯(9月27日・阪神)から父子制覇がかかる菊花賞(10月25日・京都)へ。実りの秋へ、トップハンデ57キロでも勢いは止まらない。
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秋の飛躍を誓い、みちのくで重賞初Vを狙う。イコピコは前走でオープン特別の白百合Sを快勝し、3勝目を挙げた。追い込み一手だったこれまでとは違い、好位抜け出しという鮮やかな変身ぶり。西園師は「着差はわずか(首)だったけど強かったね」と感心する。
デビューは2歳の11月(15着)だったが、すぐに放牧へ。成長を促した陣営のこの判断は大正解だった。復帰初戦をV。「使い出した時は弱かったけど、休ませてから馬が変わったからね」と当時を笑顔で振り返った。
ただ、その初勝利は3月。2勝目もすぐに挙げたが、皐月賞は1/5の抽選を突破できなかった。ダービーTRのプリンシパルSも4着。メンバー最速タイの末脚で追い込んだが、夢舞台にはあと一歩が届かなかった。「あの雨だからダービーはともかく、皐月賞は出してやりたかった。あの展開ならいいところがあっただろうからね」。秋こそはG1の舞台へ、と気持ちが高ぶるのも当然だ。
前走2着のヤマニンウイスカーは次走、札幌で1000万下のHTB賞を1馬身1/4差で完勝。これが指揮官に自信と希望をもたらした。「古馬を相手に、あんな楽に勝つんだもの。3歳のレベルが高いということ。ウチも負けられないね」と目を輝かせる。1週前追い切りは、栗東坂路で2歳馬に胸を貸す形での併せ馬。出来は申し分ない。
「賢い馬だし競馬が上手。これで休ませて、秋は神戸新聞杯から菊花賞へ。父子制覇といきたいね」。父マンハッタンカフェは01年菊花賞馬。春のクラシックとは縁がなかった、晩成型の父とイメージをだぶらせる。イコピコとはハワイ語で“頂点”の意味。大舞台での快走という野望を抱き、まずはG3タイトルを獲得する。
-デイリースポーツ-