「函館スプリントＳ・Ｇ３」（５日、札幌）
豊富なキャリアを誇る８歳馬が、重賞初Ｖへ絶好の動きを見せた。１日、札幌ダートで最終追い切りを行ったスピニングノアールが、鋭い伸び脚を披露。若々しいしぐさや馬体の張りは年齢的な衰えは全く感じさせない。悲願のタイトル奪取へ、これ以上ない状態で臨む。
心身ともに充実。スピニングノアールの最終追い切りは落ち着きのなかにも元気の良さをのぞかせて、８歳という年齢による衰えどころか、完成期を迎えたと思わせる。
のんびりと角馬場で体をほぐしたあと、札幌ダートへ。キャンターに移行すると首を大きく上げるそぶりを見せる。それでも加速してからは実にスムーズな折り合いを披露。徐々にラップを上げながら直線で仕掛けられると、回転力のあるフットワークで駆け抜けた。
メリハリの利いた内容で４Ｆ５３秒２-３８秒７-１２秒２をマーク。「半マイルからという指示。走り出せばガーッと行く感じがなくて、動き自体もすごく良かった」と影山助手は好感触を伝える。「落ち着き過ぎていないのがいいのかもしれないね」と全く衰えを知らない闘争心に舌を巻いた。
キャリア６０戦のなかで北海道シリーズへの参戦は、昨年の函館スプリントＳ（６着）だけ。前走のＣＢＣ賞で３着に好走するなど、実績的には中京巧者とのイメージが強い。「確かに一番合っているかもしれない」と同助手は肯定しながらも、「去年は４角から直線入り口で前が詰まった。追えたのは、ラスト１Ｆを過ぎてから。滞在とか洋芝が駄目ということは全くない」と言い切った。
「もう年齢も年齢だから、何とか…」と重賞タイトル獲得への熱い思いを口にする。「前走並みのメンバーなら引けは取らないはず」。数少ない、残されたチャンスはきっちりとモノにしておきたい。
-デイリースポーツ-
