ラジオNIKKEI賞の出走予定馬が東西トレセンで追い切りを行った。美浦では、ケイアイドウソジンがPコースで5ハロン67秒2、終い12秒1で僚馬を5馬身突き放した。実績ある距離、53キロのハンデも味方に上位を狙う。栗東では連勝中のアドマイヤメジャーがCWコースで6ハロン78秒6と重賞初挑戦に向けて抜かりのない仕上げだ。
500万を勝ったばかりだが、勢いなら負けない。ケイアイドウソジンが今の充実ぶりを物語る迫力ある動きを見せた。
坂路を1本登って軽く体をほぐしてからポリトラックコースへ。内の僚馬マスターハルバード(牡3未勝利)を目標にスタートすると、未明からの降雨で重くなった馬場も苦にせず、軽快なフットワークで進む。4コーナー手前で、接近した他馬に僚馬がひるむ場面があったものの、ドウソジンは全く気にすることなく直線で並びかけると、そこからは独壇場。鞍上のムチに応えてあっさりかわし、最後までビシビシ追われて5ハロン67秒2、3ハロン38秒2−12秒1で5馬身突き放した。
「文句なしだね」。田村調教師は、真っ先に口にした。「動きに悪いところが見当たらない。本当に調子がいい。グングン成長しているんだ」と満足げだ。ドウソジンは関西馬としてデビュー。2戦目の未勝利戦V後、アーリントンCに挑戦(7着)。4戦してから転厩してきた。初勝利のレースなどを見て「いい馬だな」と評価していた田村師は、管理馬として直に馬体に触れ、自分の目の確かさを感じた。
「本格化は秋以降だが、ウチの3歳牡馬で一番」と瞬間的に素質の高さを見抜いた。久々は走らないタイプで、転入直後の夏木立賞は14着に惨敗。しかし、前走のロベリア賞ではタフな府中コースで後続を2馬身突き放す完勝劇。トレーナーはさらに自信を深めた。
距離の1800メートルは【2・0・1・0】。梅雨時で当日の馬場状態は微妙だが、「道悪はこなせるし、悪くなれば他馬も気にする分、余計にいいね。ハンデ53キロも生きてくる」とトレーナーは荒れ馬場も気にしていない。飛躍の秋に向けて、何としても賞金を加算しておきたい。陣営の期待を背に、ケイアイドウソジンが、みちのく重賞に挑む。(松永昌也)
-サンケイスポーツ-