「ラジオNIKKEI賞・G3」(5日、福島)
実戦並みの切れ味だ。最終追い切りが東西トレセンで1日、行われ、栗東坂路で単走追いのイコピコが絶好調をアピールした。雨に濡れたウッドチップを蹴散らし、ラストも鋭く反応。万全の態勢だ。
重い馬場をモノともしなかった。勢いは加速するばかりだ。イコピコが栗東坂路で4F52秒9-39秒0-12秒2をマークした。最後の1Fで前がごちゃつく場面があったが、内へ進路を切り替えて柔軟に対応。バネを利かせた走りで、水気を含むチップを蹴散らした。
またがった酒井(レースは田中勝)は「めちゃくちゃ良かったですね。反応が良くて、すごい切れ味だった」と手放しで絶賛する。重賞級の器。素材の良さを早くから見抜いていた。「入厩したときと放牧から帰ってきた2戦目の変わり方が半端じゃなかった。使うごとに力もつけているし、Gのつくレースを獲れる素質がある馬です」。デビューから2戦、手綱を取った鞍上は断言する。
スタンドから動きを見届けて、西園師も納得の表情を浮かべる。「馬の多い時間帯だから単走でも併せ馬のようになったけど、いい調教になったと思います。(ラスト1F)12秒2だからね。時計もいい方でしょう」と力強くうなずいた。
前走は好位3番手から抜け出して快勝。追い込み一手のイメージをぬぐい去る、器用な面を見せた。ただ、競馬に幅が出たとはいえ、今回も小回りコース。ゲートは五分に出ておきたい。「先々週の金曜にゲートで縛りつけた。しっかりと出るし、大丈夫」。重賞初制覇に向けて、不安を解消して自信がみなぎる。
ハンデ戦に変わって4年目を迎えるが、トップハンデ馬は昨年の2着が最高。「57キロは見込まれたけど、それだけ評価されているということ。重賞を勝って、秋につなげたい」とトレーナーは目を輝かせる。見据えるのは父マンハッタンカフェが制した菊花賞。みちのくの舞台をステップに飛躍する。
-デイリースポーツ-