

◆有馬記念追い切り(24日) 37年ぶりの牝馬制覇へ、スタンバイOKだ。ダイワスカーレットは24日、栗東トレセンの坂路を軽やかに駆け上がった。リラックスしたその走りは、史上最強牝馬へ一直線に突き進むようだった。ラストランを迎えたメイショウサムソンは、重い馬場(Dウッドチップコース)に脚を取られたものの、悔いを残さないこん身の仕上げ。動きを自分の目で確めた武豊は、今週の土、日曜とも“一鞍入魂”の手綱で勝利を目指す。枠順は25日に決まり、馬券は26日から一部ウインズで前々日発売される。
前へ前へ。坂路を駆け上がるダイワスカーレットには、走りたいという気持ちがあふれていた。光り輝く栗毛は好調の証し。滑らかに前後肢が連動すると、自然とスピードに乗って行った。はやる気持ちを安藤勝になだめられながら、最後は流すようにゴールへ。ごく自然に、800メートル53秒4のタイムが刻まれた。
「先週、長めからやっているので、今週はサッと。リズム良く、力みなく走っていたし、天皇賞時よりリラックスして走っていた。上積みはあると思うよ」自然体での内容に、安藤は満足そうな表情を浮かべた。天皇賞・秋(2着)は、休み明けだったこともあり、いつになくイレ込んだ。いかに精神面をコントロールするかが課題だっただけに、抑えの利いた走りに納得したようだ。
安藤にとって、天皇賞は不本意なレースだった。「ゲートを出た瞬間から、ガツンと力んでいた」先手を取り、落ち着きかけたところで、トーセンキャプテンに競り込まれた。並みの馬なら失速して不思議ない状況。それでも、ウオッカと2センチ差の勝負に持ち込んだ。「改めて力を感じた。去年よりパワーアップしているね。牡馬の中に入っても実力は上」と力関係には自信を持っている。
考えるのは、いかにダイワスカーレットの力を出すかだけだ。「相手は関係ない。この馬の競馬をするだけ。距離は2000メートルくらいがベストだとは思うけど、地力があるからね。フットワークがしなやかで、リズム良く走れば、パタッとはこない」引け目など全くない。11戦7勝、2着4回。絶対能力で上回るダイワスカーレットに、37年ぶり4頭目となる牝馬Vを託す。
-サンケイスポーツ-







