
昨年の秋華賞馬ブラックエンブレムが、クイーンS・G3(16日、札幌)で再スタートを切る。G1馬として遠征した今春のドバイは、調教、レース中と、2度に渡って鼻出血のアクシデント。結果を残せず帰国したが、2冠馬ブエナビスタと過ごした牧場で互角の動きを披露。改めて存在感をアピールした3歳女王が、北の大地で復活Vを狙う。
11番人気で挑んだ秋華賞。ブランクエンブレムは、桜花賞馬やオークス馬を向こうに回して見事な差し切り勝ちを演じた。「“勝ってしまった”みたいな感じ。やっぱり強かったと思わせたい」小島茂調教師は、フロック視する外野の声に反発するように言った。
G1を手みやげに遠征した春のドバイは、散々だった。初戦に予定していたケープヴェルディ・G3の追い切り後に、鼻出血を発症。立て直して臨んだバランシーン・G3(ナドアルシバ競馬場、芝1777メートル)のレース中にまたも鼻出血。最下位9着に終わった。「ドバイでは、皆さんに見せたいと思うほどいい状態だったのに」と悔しさをにじませた。
帰国後は対策に躍起となった。鼻血に効果のあるサプリメントを添加物としてカイバに混ぜて食事を改善した。「薬ではないので、マイナス材料も少ない。カイバもしっかり食べてくれる」と話す。また、調教にも工夫を凝らし、最終追い切りで強めに追うのは3ハロン程度と短くする予定だ。
ここまでは順調そのもの。放牧先のノーザンファーム空港では、2冠牝馬ブエナビスタと一緒に調教をこなした。「牧場の人が、比べてもひけをとらない動きをしていると言ってくれた。その良さを生かして、いいレースをしたい」と小島師。1週前追い切りでは、函館のウッドチップコースで5ハロン64秒2、ラスト1ハロン12秒5。復帰戦へ向け、着々と態勢を整えている。
重賞といっても、オープン馬の登録は8頭。「ここで負けているようでは、もう一つタイトルを獲るとは言ってられないね。(現役生活を)今年いっぱいにしようかと言う話もあるから」と指揮官。大目標のエリザベス女王杯(11月15日、京都)へ向けて、引くことができない戦いとなった。
-スポーツ報知-












