
強い3歳馬は、ブエナビスタだけじゃない—。皐月賞4着、ダービー6着と、牡馬クラシックをにぎわしたシェーンヴァルトも、札幌記念・G2(23日、札幌・芝2000メートル)に参戦する。気性が激しく、ムラな面はあるが、末脚の爆発力は非凡。波乱の主役となる可能性は、十分にある。
ひそかに牙(きば)を研いでいる。ブエナビスタ一色に染まる今年の札幌記念。しかし、シェーンヴァルトにも、牡馬クラシックで常に上位を争ったプライドがある。
「皐月賞、ダービーと、すごく状態が良くて、筋肉がパンパンだった。その頃と比べると少し落ちるかもしれないが、速い調教をやれば変わってくる馬だからね」大西助手の明るい表情が、順調な調整過程を物語る。
デビュー3戦目で、デイリー杯2歳Sを制覇。早くから能力の高さを示してきた。その一方で、気性の激しさは相変わらず。「馬房ではおとなしいのに、運動や競馬になるとカリカリする。道中かかったり、遊んだりする面があって、まだ子供」と大西助手は言うが、同世代でのレースでは体験できないタフな流れ、そして古馬が醸し出す独特な威圧感が、プラスに作用する可能性があるとみている。「強い相手と戦うことで、遊びの部分が抜けてくれれば…。ちゃんと走れば、そんなに差はないと思う」
8年前。ダービー馬である父ジャングルポケットが、同じく3歳時に参戦したが、3着に敗れた。偉大な父に近づくためには、それを上回る結果が欲しい。「札幌では未勝利戦を勝っているし、小回りコースの方が折り合いはつく」と大西助手。“暴れん坊”が目覚める瞬間を、心待ちにしている。
-スポーツ報知-












