
「七夕賞・G3」(12日、福島)
名よりも実を取りにきた。金鯱賞でサクラメガワンダーの2着に好走しながらも、シャドウゲイトは宝塚記念をパスして福島のG3へ参戦。復調した国際G1馬が、勝利の二文字にこだわりを見せている。1週前は美浦坂路で4F51秒6-12秒2のタイムを軽快な動きでマーク。2年2カ月ぶりのVという“願い”を込めて、みちのくの名物重賞で快走劇を演じる。
勝利を最優先しての、みちのく遠征だ。金鯱賞で2着に好走したシャドウゲイトが万全の態勢で臨む。獲得賞金的に出走が可能だった宝塚記念には登録すらせず、ローカルのG3へ参戦。加藤征師はありとあらゆる条件を吟味し、決断を下した。重馬場の07年中山金杯を7馬身差で圧勝し、国際G1・シンガポール航空国際C勝ちも稍重。「馬場が荒れている福島を使いたかった」とのコメントには、Vへの強いこだわりが感じられる。
7歳馬でもまだ成長を続けている。「このところ走る気が出てきたね。気力が充実しているし、それが成績にも表れているよ」。前走は3番手でスムーズに運び、しぶとい伸びで8番人気の低評価に猛反発。勝ったサクラメガワンダーが宝塚記念で2着に好走したことで、自身のレースぶりに対する価値も上がった。
これまで福島は1000万条件で6着、さらに昨秋の福島記念は5着。相性がいいとは言えない印象もあるが、主戦の田中勝はプラスにとらえている。「荒れた馬場は合っている馬だからね。小回りコースもいいんじゃないのかな」。切れ味はひと息ながら、パワーは満点。開催最終日の芝という設定は申し分ない。
07年シンガポール航空国際Cを制したあとは、ダート戦にも3回矛先を向けるなど試行錯誤を重ねつつ11連敗。だが、ようやく復調してきた。2年2カ月ぶりのVという願いを込めて、トレーナーは「楽しみだよね」と意気込む。古豪が福島の名物重賞を獲りにいく。
-デイリースポーツ-












