
◆東京新聞杯追い切り(28日) 東京新聞杯・G3(31日、東京・芝1600メートル)で重賞初挑戦Vを目指すアブソリュートが28日、美浦のニューポリトラックコースで併せ馬を行った。マイル戦で3戦3勝と、全く底を見せない5歳馬は、ラスト1ハロン11秒9と鋭く伸びて併入。陣営の期待は、大きく膨らんだ。栗東では、昨年の覇者ローレルゲレイロが、坂路で51秒0の一番時計を叩き出した。
5歳を迎え、アブソリュートは大人になった。以前のひ弱さが影を潜め、高い性能を秘めるエンジンに、ボディーも整ってきた。
準オープンのクリスマスCを勝ち、デビュー12戦目にして初めて挑む重賞。追い切りは、ニューポリトラックコースの5ハロン地点からスタートした。京都牝馬Sに出走するカレイジャスミン(4歳オープン)を約3馬身追走。3、4コーナーで内に進路を取って差を詰めた。そして直線。田中勝は手綱を動かさなかったが、軽快なフットワークで楽に併入した。64秒8、ラスト1ハロンは11秒9の鋭さだった。
「リラックスしているし、雰囲気もいい」と田中勝。宗像調教師は「良かったんじゃないですか。やっと、という感じですよ」と穏やかな表情で話した。
一昨年1月の東京でデビューして2連勝。33秒台のシャープな末脚で、クラシックの新星として名乗りを挙げるはずだった。ところが、体質が弱くコンスタントにレースを使えず、休養せざるを得なかった。「レースでの消耗が激しくて、続けて使えませんでした」とトレーナー。振り返ると“3連戦”が最多で、初出走から2年が過ぎたのに、キャリアはわずか11戦だ。
だが、今は違う。昨年秋に復帰してから、今回で4戦目。「ガタッとこなくなったし、全体に実が入ってきた。短期放牧に出したりしているけれど、疲労のせいではないですからね」と宗像師。祖母に名牝ダイナアクトレスを持つ素質馬が、いよいよ本格化の時を迎えた。
5勝中4勝を左回りでマークし、マイル戦は3戦3勝。ここの結果次第で、安田記念という大舞台も視界に入ってくる。「オープンの、しかも重賞でどれだけやれますかね」と謙虚に構えるが、「素質はいいものがあると思っていたんですよ。ようやく…。時間がかかりました」我慢に我慢を重ねたぶん、より大きな実りがあるはずだ。
-スポーツ報知-







