
「京都牝馬S・G3」(2月1日、京都)
本格化したクラウンプリンセスが重賞タイトルを狙う。5歳を迎えて体つきも立派になり、最軽量時428キロだった馬体重も前走時は478キロに。大幅なボリュームアップが示すように力をつけてきた。前走の愛知杯で10着と大敗したが、初めての二千メートルで力を出し切れなかったもの。ベストのマイル戦、V奪取を視界に入れる。
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きゃしゃな乙女は年月を経て、大人の女へ変ぼうを遂げた。クラウンプリンセスの成長ぶりに、橋口師は目を細める。「ひところの線の細さはなくなったね。数字が示すように重量感が出てきた」。緩やかでも確かな成長曲線を描き、本格化を感じさせるに至った。
かつてはカイバを食べても、なかなか実にならなかった。3歳時、07年のスイートピーS(13着)は自身最軽量の428キロで出走。それが、前走の愛知杯では478キロと50キロも増えている。「牝馬にしては毛も短く、冬毛も出ていない。見栄えもいい馬だね」。明るい表情が充実を物語る。
07年フラワーC以来の重賞挑戦は10着だったが、敗因ははっきりとしている。最後に伸び切れなかった内容からも、二千メートルは長かった。師も巻き返しへ意欲をのぞかせる。「初めての経験だったからね。距離だと思うよ。マイルが一番いいし、その前の2走の勝ちっぷりが良かったので見直したいね」。札幌で1000万特別を勝ち、ゴールデンホイップTでは好位から抜け出し接戦をモノにした。2勝をマークする距離。反撃の舞台としては絶好だ。
中間の調整も順調。21日の1週前追い切りでは栗東坂路で4F54秒8-40秒5-13秒3。リッターヴォルト(5歳1000万下)に1馬身遅れたが、もともとケイコでは目立つタイプではなく、トレーナーも「体調面は心配ないよ」と気にする様子はどこにもない。
初めての重賞タイトル獲得へ、師の期待は高まる一方だ。「どこからでも競馬はできるし、展開に左右されることは少ない。牝馬同士なら重賞でも引けは取らないと思っている。あとは相手との能力差だけ」。全弟は牡馬クラシック路線で注目を集めるリーチザクラウン。姉も負けてはいられない。
-デイリースポーツ-







