「桜花賞・Ｇ１」（１２日、阪神）
打倒ブエナビスタという観点から見れば、これ以上の枠はないかもしれない。最内（１）枠(1)番に入ったダノンベルベール。「確実に言えるのは、あの馬より少ない距離を走れるということ。それは間違いなくプラス。極端な枠だからこそ、開き直って戦法を決めることもできる」。後藤は鋭いまなざしで言い切った。
予行演習が実を結ぶシーンを主戦は思い描く。「この枠なら前走の競馬が生きてきそう」。ブエナビスタを負かすには前々で競馬ができなければと判断し、デイリー杯クイーンＣ（２着）では意識的に先行策を取った。「再現できる気はする。最内枠なら、スタート後も意外にスムーズに行けるんじゃないかな」と、先行するうえでは最内枠がプラスに働くと読む。
さらに鞍上は、興味深いレースイメージを口にする。先週から“外差し天国”となった阪神の芝について、違った角度から先行勢の利を唱えた。「みんな内を通りたくない。（村田）一誠も内をあけて逃げるんじゃないかな」。仮に逃げ宣言のヴィーヴァヴォドカが荒れた内を避けてラチより２〜３頭分、外に進路を取れば、最後の直線で馬場の真ん中を通るのは先行馬。距離的なロスを最小限に抑えつつ、そこまで荒れていない部分を走れる可能性は十分との見解を示した。
１０日の金曜朝は栗東の角馬場で体をほぐした。「追い切り後も順調。去年の暮れ（阪神ＪＦ）よりも確実に良くなっている」。福田調教厩務員は仕上げに自信を見せた。リベンジへ向けての準備は、あらゆる面で整っている。
-デイリースポーツ-
