
「桜花賞・G1」(12日、阪神)
白いシャドーロールをリズミカルに揺らしながら、ダノンベルベールが8日、栗東坂路を躍動。単走でしまい重点に4F52秒9-37秒3-11秒9。時計の出やすい馬場状態や、馬場の内目を回った点を踏まえても、ラスト2Fは極上の切れ味だった。「最後までぶれることなく、しまいの2Fはすごく良かった。誰が見てもいい動きを見せられたと思う」と、後藤は仕上がりの良さを絶賛した。
ケイコはやれば動くタイプだが、オーバーワークを避けるため直前は単走に。理想的な最終リハを終え、国枝師は納得の表情を浮かべる。「すでに馬はできているので、感触を確かめる程度。いい動きだったし、満足のいく状態です」。栗東留学も2度目で、環境の変化に戸惑うこともない。「馬体重はいくらかプラス。現状のベルベールの望むところでは一番いいと思う」と“G1仕様”の仕上げに胸を張った。
阪神JF2着馬で、関東の期待を一身に背負っている。だが同世代にブエナビスタという、とてつもなく強い牝馬がいる。後藤は「ディープインパクトが出てきたときも思ったが“生まれてきた年が悪かった”と思うぐらいの馬」と一目置く。
その牙城を崩すのは容易ではないが、何が起こるか分からないのが競馬。自らの手で好感触をつかみ、今のベルベールなら…の思いは芽生えている。「あとは競馬の神様が降りてくることを願っている」。勝つためのプログラムをこなし、人事は尽くした。あとは天命を待つのみだ。
-デイリースポーツ-












