
栗東で伏兵として注目されるのが、2戦2勝のレッドディザイア。桜花賞2勝ジョッキーの松永幹調教師は、その素質にほれ込んでいる。
年明けの1月4日にデビュー戦を飾り、2戦目でオープンのエルフィンSを制覇。レッドディザイアは、いずれも「鼻差」ながら、“最短距離”で桜花賞への道をこじ開けた。
着差はわずかでも、中身は濃い。初戦は、ラスト3ハロン12秒1−11秒4−11秒5の流れを中団から差し切り勝ち。2走目は、4角9番手と絶望的な位置から素晴らしい伸び脚を見せた。ともに、上がり3ハロンは34秒2。「2走とも届かないようなところから差した。いい瞬発力を持っているの確か」と松永幹調教師は高い評価を与えた。
オープン勝ちで多くの賞金を加算したため、ゆとりのあるプランで本番を迎えられた。「桜花賞から逆算して放牧に出し、たくましくなって戻ってきた」とトレーナー。ライバルの多くが、トライアルでの権利取りに必死になる3月も、態勢を整えることに専念できた。
騎手時代、桜花賞2勝(97年キョウエイマーチ、00年チアズグレイス)をはじめ、GI6勝はすべて牝馬で挙げている。「あの頃は、追い切りまで乗って、無事を確認できれば良かった。調教師になってからは、ゲートインまで見届けなければならない。こっちの方が気が引き締まる」。責任の重さを感じつつも、充実した春を過ごしている。
トレーナーに転身してからは、07年ハギノルチェーレ(8着)以来、2度目の参戦になる。「本質的にマイルは短いけれど、直線の長い阪神の外回りは合うと思う。強い馬が1頭いるが、こちらには未知の魅力がある」。“牝馬の松永”が、1強・ブエナビスタに牙をむいた。
-スポーツ報知-












