
「桜花賞・G1」(12日、阪神)
関東期待の星が打倒へ燃える。5カ月の休み明けだったアネモネSで、桜花賞の出走チケットを獲得したツーデイズノーチス。2歳の調教セールで400万円という安値で取引されたヘクタープロテクター産駒が、関東リーディング3位の松岡とのコンビで真っ向勝負を挑む。
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“1強”ムードの桜の女王決定戦。しかし、ツーデイズノーチスを管理する斎藤誠師は、大きな野望を抱いている。「ブエナビスタがどれほど強いかは分かっています。それでも今ワクワクしていますし、不安より期待の方が大きいですよ」。38歳を迎えたばかりの指揮官は瞳を輝かせた。
昨年のJRAブリーズアップセールで400万円で落札されたヘクタープロテクター産駒。桜花賞とオークスだけではなく、皐月賞とダービーにもクラシック登録を済ませている。「能力があることは分かっていたんですが、体質が弱くて」。しかし、そんな不安をかき消すほど、馬自身がグングン成長を遂げた。
前脚が反っていることもあって、2歳時は不安を抱えながらの出走。だが、不良馬場での激走にも反動がなく、前走後はすぐに乗り込みを開始できた。「思っている以上に早くしっかりしてきてくれている。一発勝負で決められた(アネモネSで優先出走権を取得)のも、この子が桜花賞に出たかったのでしょう」と充実ぶりに目を細める。
93年に調教厩務員として師は競馬の世界へ。その後、助手に転身して調教師になった。03年デビューの松岡と同様に、前田禎調教師に師事。いわば、両者は“準・師弟関係”だ。05年に死去した前田師にささげるVは、わずかの差で逃した無念を晴らす戦いでもある。同じコンビで挑んだ07年皐月賞では、サンツェッペリンで2着惜敗。鼻差で悔しい思いをした。
女王の強さは認めているが、松岡は簡単には白旗を揚げない。「同じ競馬をしてもかなわない。前走でスタートも出てくれたので、先行するかもしれない」と作戦を思い巡らせる。打倒ブエナビスタへ、関東の新星が真っ向勝負を挑む。
-デイリースポーツ-












