
◆第139回天皇賞・春(3日、京都競馬場、芝3200メートル、良) 伝統の天皇賞・春は、GI初挑戦となった12番人気の関東馬マイネルキッツ(松岡)が、アルナスラインとの競り合いを首差制して優勝。重賞未勝利馬の勝利は、80年ニチドウタロー以来、29年ぶり。3着はドリームジャーニーが入った。昨年(3着)に続き1番人気のアサクサキングスは9着。3番人気モンテクリスエスが12着。2番人気スクリーンヒーローも14着に沈み、上位人気3頭は総崩れとなった。
頂点は届きそうで届かない。最後の直線。蛯名の左ムチに応えて、躍動感あふれるフォームで、アルナスラインが馬場の真ん中から伸びてくる。G1タイトルが、はっきりと見えた瞬間だった。しかし、内からマイネルキッツの“一撃”を、抑え込むだけの余力は残っていなかった。
一昨年の菊花賞(2着)に続き、淀の長丁場でまた競り負けてしまった。それなのに、蛯名の口調は意外にもさばさばしていた。「仕方がない。流れには乗っていたし、ラストもきてる」。実はレース中に右前脚を落鉄していたのだ。
松元調教師は、満足感と悔しさを交錯された複雑な表情を浮かべた。「落鉄だからね。うちのに運がなかったということ。まっ、仕方ない。本当に最高の体調で送り出せたんだから」と胸の内を明かした。
今後は未定だが、宝塚記念(6月28日、阪神)を視野に調整されることが濃厚だ。もう銀メダルはいらない。
-スポーツ報知-










