
◆第14回NHKマイルC・G1(10日、東京競馬場、芝1600メートル) 桜花賞(4着)から参戦するのがワンカラット。牝馬らしい切れ味を武器に、牡馬に挑む。 競馬で「たら、れば」を言えばきりがない。それでも、ワンカラットの桜花賞は、つい“仮定の話” を持ち出したくなるようなレースだった。
スタートのタイミングが合わず、後方からの競馬を強いられた。直線を向いた時は前が壁になり、追い出しが遅くなるロス。最後は馬群を割って伸びただけに惜しかった。
不完全燃焼の一戦。パートナーの藤岡佑は、悔しさを胸にしまい、前を向いた。「出遅れたけど、しまいを伸ばす競馬が出来たのは収穫だった」。けがの功名で見せた新たな一面に、手応えをつかんだ様子だ。
上がり3ハロン34秒0。桜花賞での鋭脚の裏には、メンタル面の成長があった。「昨年の暮れは、元気が良く張り切り過ぎていたけど、休養を挟んで落ち着きが出てきた」と千田助手。阪神JF(12着)は、頭を上げて鞍上がなだめるのに苦労する場面があったが、折り合いの不安が解消。末脚を生かす競馬が可能になった。
激闘から中3週だが、使い減りしている様子はない。「前走はGIだったので、きつめに負荷をかけたが、よく耐えてくれた。そのあとも、いい状態をキープできている」と千田助手。中間、追い切りを2本消化できたのは、順調さの証しだろう。
牝馬同士のオークスに向かわなかったのは、もちろん勝算があってのことだ。「切れだけなら、男馬に混じってもひけは取らないと思う」千田助手は長い東京の直線を一気に伸びる姿を思い描く。05年ラインクラフト、07年ピンクカメオと、桜花賞組が勝っているNHKマイルC。当然、09年は牝馬が激走する“順番”だ。
-スポーツ報知-










