
NHKマイルCで主役の座を狙うのがブレイクランアウトだ。十分に勝負になったはずの皐月賞には見向きもせず、前走・共同通信杯完勝後は、ここ1本に目標を定めて調整を進めてきた。この後はダービーへ向かう予定。直線が長く、左回りの東京限定のローテーションが功を奏するか注目される。
ブレイクランアウトが東京に絞ったローテーションでG1獲りに臨む。クラシックの登竜門、前走・共同通信杯は上がり3F33秒6のメンバー最速の剛脚で鮮やかに差し切った。皐月賞に出走してくれば人気の一角を担ったはずだが、陣営は登録すらせずNHKマイルC→ ダービーの路線を選択した。
過去、2カ月以上の休み明けでNHKマイルCを勝った馬はいない。ローテーション的には異例だが、体調面に不安があったわけではない。デビュー5戦で右回りに出走したのは朝日杯FS(3着)だけ。戸田師は「朝日杯FSはリズムが悪く、直線も手前を替えなかった。(右回りの)皐月賞を使うことでリズムを崩したり、消耗するよりはと考えた」と説明。前哨戦を含めて右回りのレースはすべて見送った結果、共同通信杯から本番へ直行となったのだ。
前走後は放牧に出さず、厩舎で調整。戸田師は「厩舎でもリラックスできている。うまく(力を)温存できたかな」と満足げに話したように、4月30日の1週前追い切りでも抜群の動きを見せた。ポリトラックでシビルウォー(4歳1600万)と併せ、5F66秒7〜1F12秒0。直線は並ぶ間もなくパートナーを抜き去った。これまで馬群を割ることや、抜け出してから気を抜かせないことなど、一戦ごとにテーマを課してきたが「ふがいない競馬をしていたときの状況は前走で払しょくできた。抜いた後にフワッとするところもなくなった。そういう細かい心配はいらない」と成長に目を細める。
極端なスローペースになった場合には不安もあるが「この時期になれば、ペースが緩む競馬にはならないでしょう」と楽観的。馬名はビリヤード用語で、すべての球をノーミスで落とすこと。府中の長い直線でライバルを1頭ずつ蹴落としていった先には、栄光のゴールが待っている。
-スポーツニッポン-










