
サマー2000シリーズ第2戦「第45回函館記念」は函館競馬場のスタンド新装工事で、15年ぶりに札幌で実施。注目は昨年の牡馬クラシック戦線を歩んだマイネルチャールズだ。屈腱炎を乗り越え、昨年10月の菊花賞(5着)以来、約9カ月ぶりの実戦。「マイネル軍団」のエリートは、放牧先でもバリバリ乗り込んできた。G1級の底力をいきなり発揮できる態勢だ。
眠れるG1候補生がターフに帰ってきた。昨年の牡馬3冠ロードを皆勤したマイネルチャールズ。皐月賞3着、ダービー4着、菊花賞5着。しかし、その後に左前脚の屈腱炎が判明。幸い症状が軽かったため、復帰までに通例1年以上かかる難病にもかかわらず、早期復帰にこぎつけた。
まだ厳寒の2月にはビッグレッドファーム真歌で早くも運動を再開。約半年間じっくり乗り込み、今月11日に札幌に乗り込んだ。ラフィアンターフマンクラブのホームページでは「腱はすっきりしていて、脚元は大丈夫」とすっかり完治。ぜい肉ひとつない、ボリュームたっぷりの体。白倉厩務員もその成長に目尻を下げる。
「体はひと回り大きくなった。松岡くんも何度も放牧先で乗ったようだし、十分鍛えてもらったんでしょう。決して太く感じない。3歳の頃からおとなしくて扱いやすい馬でしたが、さらにどっしりしてきた」
津村(レースは松岡)を背にした15日の1週前追いは札幌ダートで5F64秒7(いっぱい)とさすがの動き。直後の計量では鞍を着けて482キロ。前走・菊花賞が460キロで、鞍の6〜8キロを差し引いても、10キロ以上は成長した計算。ここまで臨戦態勢が整えば、G1で力走した実力馬が黙ってはいない。京成杯、弥生賞と重賞2勝。重賞では掲示板を一度しか外してない無類の堅実派だ。「札幌は札幌記念(6着)を使っていますが、あの時は3歳と古馬の差もあった。2000メートルは得意だし、前に行けるので札幌は本来合うと思う。あとは休養が長かったのでレース勘だけでしょう。順調なら札幌記念(8月23日)に向かうそうなので、頑張ってほしい」と同厩務員。サマー2000チャンピオンも見据えて9カ月ぶりの実戦。現4歳屈指の実力馬チャールズの復活ランは必見だ。(小田 哲也)
-スポーツニッポン-












