
「函館記念・G3」(26日、札幌)
実力馬が待望の戦列復帰を果たす。昨年の牡馬クラシック戦線で “王道”を歩んだマイネルチャールズが、9カ月ぶりにターフへ登場。放牧先で入念に乗り込まれての札幌入りとあって、中間初時計となった1週前追い切りではいきなり好時計を叩き出した。天皇賞・秋(11月1日・東京)への参戦を見据え、いきなり上位の地力を見せつける可能性は十分だ。
準備は万端だ。昨年11月に左前脚の屈腱炎を発症。菊花賞5着を最後に戦列を離れていたマイネルチャールズが、北都で待望の復帰を果たす。
9カ月ぶりで、札幌競馬場への入厩は11日。普通なら仕上げに疑問が残る過程だが、そこはマイネル軍団。“虎の穴”とも称されるビッグレッドファーム真歌トレーニングパークの坂路でビッシリと乗り込まれてきた。
その成果が現れたのが15日に行われた1週前追い切りだ。札幌ダートでゴール前は一杯に追われると、5F64秒8の好時計をマーク。ラスト1Fは11秒6の切れ味を見せた。札幌入厩後の初時計でこの動き。またがった津村(レースは松岡)も「乗り込まれてきたのが分かりますね。息遣い、反応ともに良かったしかなり仕上げは進んでいますよ」と話す。また担当の白倉厩務員も「戻ってきて、普通に追い切ったらこのタイム。背丈も伸びて帰ってきた」と、たくましさが増したチャールズの姿に目を細める。
1番人気に支持された皐月賞で3着。その後もダービー4着、菊花賞5着と昨年の牡馬3冠ロードを関東のエースとして歩んだ。栄冠にあと一歩届かなかった走りに、馬体面のパワーアップを期待する声が多かった。それだけに今回は、その成長ぶりに注目が集まる。
真歌トレーニングパークにも足を運び、調整過程をチェックしてきた稲葉師も力が入っている。「調整が進んでいるので七夕賞での復帰プランもあったぐらい。荒れた馬場を考慮して、復帰戦をここにしたんだ。距離的にも秋は天皇賞が目標になる。まずは好スタートを切りたい」。厩舎の看板馬の復帰戦を、最高の形で決めるつもりだ。
-デイリースポーツ-












