
先週の新潟開幕週で3勝を挙げた内田博幸騎手(38)=美・嶋田潤=が、今週も有力関西馬など土日の新潟で計20鞍に騎乗する。夏の福島でリーディングを獲得し、今年はJRA82勝(24日現在)で首位を独走。8月には英国で開催されるシャーガーカップに世界選抜の一員として日本代表で出場する。26日には39歳の誕生日を迎える日本競馬の顔が、勝ち星量産で首位固めだぁ!
かなう夢はあるのかもしれない。内田博幸騎手を見ているとそう思う。甘いマスクで口調は穏やか、競馬には実に前向きでどこまでも欲張り。そんな姿勢が多くの競馬ファンをひきつけている。
まだ7月。先走りしすぎと承知しながらも投げかけた“年間最多勝は意識してますか?”の質問に、明確な態度できっぱりと言い放った。
「最初から狙ってますよ! じゃないと何のために移籍したのか分からなくなる」。07年まで4年連続地方競馬最優秀騎手賞を受賞、南関東のトップに君臨した自負がある。「はい上がって地方競馬で日本一になった。今度はJRAで日本一になりたい。トップの人がいるうちに」
前に立ちはだかっているのは武豊騎手。昨年は7年連続18回目のリーディングを獲得した。分厚いと思えたその壁を内田博はJRA移籍2年目で早くも突き破ろうとしている。先週までに82勝。昨年同時期を22勝上回るペースで、2位の武豊騎手と13勝差のトップを独走している。「今年も最初は良くなかったが、焦りはなかった。毎週毎週、レースに集中して結果を出していけばいい。1日1勝で年間100勝はいける。あとは途中で固め打ちできる週もあるからね」。その言葉通りに2週前には土日で8勝を挙げ、自身初の夏の福島リーディング(16勝)に輝いた。「先週の新潟は雨で力を発揮させてあげられなかった馬がかなりいた。競馬は難しいね」。それでも土日で3勝。着実に勝ち星を重ねていく。
日曜日に39歳の誕生日を迎える内田博は、夏の新潟2週目には20レースに騎乗。特別戦の6鞍は、開幕週に10勝を挙げた新潟に強い関西馬で埋まった。豪華布陣で、武豊騎手との差をさらに広げる“固め打ち”の期待が高まる。(阿部裕昭)
-サンケイスポーツ-












