
賞金上積みへ必死のクラシックホースが意地を見せつける。サマー2000シリーズ第2戦「第45回函館記念」の注目は牝馬レジネッタ。昨年の桜花賞馬も、気がつけば7連敗。このままでは狙ったレースも賞金不足で除外の可能性が出てくるだけに、賞金上積みを命題に掲げた一戦だ。浅見厩舎からはマンハッタンスカイ、ゼンノグッドウッドの好調2騎もスタンバイ。上位独占を狙う。
青函トンネルのような長い暗闇に入ったレジネッタが、3年連続で札幌に帰ってきた。デビューした2歳時は2戦目で初白星。昨夏のクイーンS(2着)は「桜花賞馬」の金看板を背負って凱旋した。しかし、今年は事情が違う。桜花賞以降、気がつけば黒星が7個。浅見助手が率直に本音を明かした。「あのクイーンS2着の賞金がわずかに残っているぐらい。賞金を加算しないと、使いたいレースに出られないかも」
函館記念の出走馬決定順は11位。過去1年間の賞金がモノをいう重賞では、1年以上前の桜花賞も期限切れ。3週後のクイーンSまで待たず、牡馬にぶつけるのは賞金加算の使命があるからだ。幸い、今年は函館(出走歴なし)が新装工事中で走り慣れた札幌でのレース。「昨年もここの滞在で結果が出て、時計の掛かる洋芝も合っている。ハンデ(55キロ)は54キロで止まると思ったけど、実績を考えると仕方ないかな。素軽さも出てきている」。寒いぐらいの快適な気候も手伝い、10日に札幌競馬場に入厩した後も順風満帆だ。
浅見厩舎勢は函館で調整しているマンハッタンスカイ、ゼンノグッドウッドとの豪華3頭出し。馬体減の不安があるレジネッタを当日輸送のない札幌に置くのも戦略。「展開的にも前、中、後ろとタイプが違い、それぞれの楽しみがある。430キロ台後半〜440キロで出せれば…」。浅見助手は復活を祈っている。
前を行くマンハッタンスカイ、後方一気のゼンノグッドウッドの真ん中で守られ、直線一気が復活のシナリオ。首尾良く事が運べば、桜花賞馬の函館記念Vは45回を数える歴史で初の快挙だ。
-スポーツニッポン-












