
小倉記念の木曜追い切り。準オープンを快勝し、勢いに乗って重賞に挑むエーティーボスは坂路で追い切られた。渋った馬場を気にして、動き、タイムともに平凡だったが、調子自体は決して悪くない。相性のいい小倉コースで一発を狙っている。
動きは平凡だった。坂路に入ったエーティーボスは、オールブランニュー(3歳未勝利)を追走する形でスタート。稽古は動かないタイプとはいえ、オープン馬と未勝利馬とでは脚力の差は歴然としているはず。あっさり先着と思ったが、その差は最後まで詰まることなく2馬身遅れ。タイムも4F57秒1〜13秒4。手綱を取った湯窪助手は渋い表情で引き揚げてきた。
「直前の雨が余計だったね。馬場が悪くて嫌気が差したのかな。それに、いつもは馬の気持ちに任せて坂路まで歩かせているんだけど、けさは併せ馬で相手のこともあるからちょっとせかしたんだ。それで気持ちが乗らなかったのかも…」
注目度の大きい重賞の最終追いで気分屋な面をのぞかせてしまった。ただ、決して出来が悪いわけではない。前走・関ケ原Sでオープン入りを決めると、中7週のここに絞って調整。湯窪助手は気持ちを切り替え、こう続けた。
「先週の水曜、日曜としっかりやれているし、動きも良かった。調子はいいと思うよ。競馬に行けば、しっかり走ってくれるタイプだからね」
重賞参戦は過去に1度あり、昨年の京都記念10着。敗れはしたが、1000万を勝った直後に、格上挑戦に踏み切ったところに陣営の期待度がうかがえる。
「京都記念後、赤木騎手は“格負けはしていなかった”と話していた。雨に泣かされて勝ち上がるのに時間がかかったけど、前走の勝ち時計が良かったからね。ここでどこまでやれるか。何とかいい馬場でやりたいね」
小倉芝4戦2勝のコース相性は魅力。追い切りの動き、タイムだけで軽視するのは禁物だ。
-スポーツニッポン-












