
デビュー28戦目。オペラハウス産駒のテイエムアンコールが小倉記念(8月2日、小倉)で重賞初挑戦Vを狙っている。今春まで1000万クラスにとどまっていた遅咲きは、ここへきてポンポンと2連勝。めっきり、力をつけての戦いだ。対戦メンバーはグッと強くなったが、勢いなら、どの馬にも負けていない。
テイエムアンコールの初勝利は、デビュー7戦目。3勝目を挙げたのは4歳の8月。その後もなかなか白星を重ねられなかったが、ここへきて1000万、1600万を連勝。5歳の夏になって、ようやく本格化を迎えた。斎藤助手は「レースぶりが安定してきたし、力もつけている。展開と折り合い次第では通用すると思う」と初めての重賞挑戦に期待を寄せた。
成績が急上昇したのは、精神面の成長が大きい。引っかかることがなくなり、中団で脚をためる自分の形を確立したからだ。「以前ほどムキになる面がなくなった。ある程度抑えが利くようになり、無駄な力を使うことがなくなった」。
2走前の長久手特別(中京)は、3コーナーから動いてラスト100メートルで抜け出す横綱相撲。前走の垂水S(阪神)も直線で長くいい脚を使った。昇級戦というのに、ラスト50メートルで先行勢をまとめてかわした後は、手綱を抑える余裕があったほど。強さは本物だ。
コースを問わないのも大きな魅力だ。これまで、阪神(2勝)、中京、小倉、福島の4場で5勝。コース形態や回りに関係なく、勝ち星を挙げている。しかも、小倉コースは〈1〉〈2〉〈3〉〈2〉着。斎藤助手は「小倉との相性はいいし、夏場も強い馬。距離も1800メートルから2000メートルくらいがちょうどいい」とベストの条件であることを強調した。
柴田見厩舎は、02年武蔵野S(ダブルハピネス)以来、実に6年9か月ぶりの平地重賞制覇がかかる。「ここを使って休ませる予定。調子落ちはないし、見た目の状態もいいと思う。相手関係よりも折り合いだけ。行きそうな馬もいるからね」と斎藤助手。全力の仕上げが、厩舎にタイトルをもたらすか。
◆オペラハウス産駒 代表産駒のテイエムオペラオーや、メイショウサムソンのように3歳春から大活躍する馬もいるが、アクティブバイオは5歳春の日経賞(22戦目)で重賞初制覇。2勝目は6歳秋のアルゼンチン共和国杯だった。また、ニホンピロジュピタは、4歳夏にブレーク。4連勝でG1の南部杯に優勝したし、ミヤビランベリは、5歳夏に七夕賞を勝ち、今年も目黒記念V。続く七夕賞で史上初の連覇を遂げるなど、産駒は総じて晩成型のタイプが多い。
-スポーツ報知-












