
「キーマンの懐へ」は、ホッコーパドゥシャを送り出す村山明師(37)に迫った。
——ホッコーパドゥシャの前走(七夕賞3着)は道中、中団。外からかぶされる形でした。
村山師 そうでした。ただ、位置取りを考えれば仕方ないところ。外からかぶされたのを気にしたという感じではないと思います。
——最後は外に持ち出しました。
はい。内と外、どちらへ行くかと見ていました。鞍上の判断で外へ行ったわけですが、安全に行こうと思えば間違った判断ではなかったと思います。
——最後も、それなりに伸びましたが、ハンデ(3キロ)差のあるアルコセニョーラにかわされて3着。
アルコセニョーラは重賞を勝っている割に軽いハンデだと思っていました。それでもパドゥシャ自身もよく伸びていたので悲観する内容とは思っていません。
——3走前(福島民報杯1着)はスタートから楽に先行する形。最後は抜け出してレコード勝ちでした。
出ムチを入れたらいい反応をしてくれたという感じでした。道中もいいペースで流れてくれたのが良かったと思います。
——あまり遅い流れだと折り合いを欠く心配がありますね。
そうなんです。だから、ある程度のペースで流れてくれた方が合っている。相手もいることなのでどうなるかは分からないけど、できれば今回もそういう流れになってほしいですね。
——3走前にレコード勝ちをした時は472キロだったが、ここ2走は480キロ台。
厩務員が“自分で体をつくる馬”と言っていたので任せていたのですが、実際には絞り切れなかったみたいです。だから、この中間は坂路を2本にするなど、意識的に運動量を増やしました。
——輸送も入るし、体は減ってくる。
そうですね。追い切り後の計量は478キロでした。小倉まで運ぶことを考慮しても確実に減ってくるはずです。
——その追い切りですが、坂路でいっぱいに追われて4F54秒5。もう少し速い時計が出るかと思ったのですが?
ただ、この馬の場合は稽古駆けしませんからね。ラスト1Fは13秒2が出ているし、十分に及第点だと思いますよ。
——仕上がりに関しては問題なさそう?
はい。むしろ、オーバーワークになっていないか心配なくらい。いい出来になっていると思います。
——前走から据え置きのハンデ56キロは?
福島でレコード勝ちした時と同じ重量ですからね。この馬自身はこなせるので気にはしていません。
——転厩前ですが、小倉大賞典(7着)では33秒台の末脚を披露。小倉も合っていそうです。
当時、手綱を取っていたアンミツさん(安藤光騎手)も“脚を余してしまった”と悔やんでいたようです。小回りコースは合っているので、十分にチャンスはあると信じています。
▼村山 明(むらやま・あきら)1971年(昭46)8月18日、東京都生まれの37歳。91年騎手デビュー、通算3186戦218勝。重賞2勝(94年中京障害S=キンセンアラシ、00年武蔵野S=サンフォードシチー)。08年に厩舎開業。ここまで通算18勝。JRAの重賞勝ちはないが、今年の交流G1・ジャパンダートダービーをテスタマッタで制している。
-スポーツニッポン-












