
「小倉記念・G3」(8月2日、小倉)
復活の準備は整った。マイネレーツェルは1週前に栗東坂路で4F51秒8の1番時計をマーク。攻め不足だった前走から大きな前進を遂げている。昨年は3歳牝馬クラシックロードにエリザベス女王杯と、G1戦線を盛り上げてきた実力派。G2・2勝馬が、デビュー勝ちを収めた小倉の地で華麗に舞う。
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原点に返り、本来の力を呼び覚ます。マイネレーツェルはフィリーズレビュー、ローズSと3歳時に2つのG2タイトルを獲得。実績面からG3なら牡馬が相手でも引けは取らない。しかし、今季2戦はヴィクトリアマイル17着、マーメイドS9着と精彩を欠いている。現状打破のきっかけをつかむべく、新馬勝ちを収め、フェニックス賞(2着)→小倉2歳S(3着)と駒を進めた南の大地を踏みしめる。
敗因は分かっている。重苦しい内容の近2走に、五十嵐師は「ヴィクトリアマイルはレース直前で鞍ズレを起こし、馬がパニック状態に陥って競馬にならなかった。それによりゲート再審査に。マーメイドSの時はゲート練習に時間を取られて、追い切りが不足していた」と振り返る。確かに前走時の直前追いは、栗東坂路で4F60秒8と極めて軽め。本番では直線で伸びを欠く格好となってしまった。
反撃態勢は整う。担当の田中助手は「レースが終わって1週間後には時計を出せたくらい。カイバもしっかりと食べているからね」と、ダメージを心配する声は聞こえない。その証拠に23日の栗東坂路では、新コンビの福永を背に4F51秒8-38秒6-13秒5の猛時計を叩き出した。前日に集中豪雨で閉鎖となったタフな坂路で唯一、4F51秒台をマーク。堂々の1番時計が順調さと出来の良さを物語っている。
あとは落ち着きがカギになる。「これまでも目隠しのネットを着用したりと工夫してきた。もちろん展開も大事だが、レース当日にイレ込まず、力さえ出し切れれば差はないと思う」と同助手は重賞V3のイメージを描く。“もうひとつタイトルを獲らせたい”…陣営の熱い思いを胸に、根性娘が復活を果たす。
-デイリースポーツ-












