

春の3歳G1戦線を占うステップレース「第18回アーリントンC」が28日、阪神で行われる。注目の1頭はダートで4戦4勝、いずれもワンサイド勝ちを決めてきたスーニだ。芝適性は未知ながらも陣営は、その可能性に大きな手応えを感じ取っている。結果を出して一躍有力候補に名乗りを上げるか、柔らかい筋肉を武器に試金石の一戦に挑む。
謎のベールに包まれた大物が登場する。スーニはダートで4戦無敗。しかも、すべて圧勝だった。今年の始動戦は芝のアーリントンC。吉田厩舎の広報担当・高島助手は期待感たっぷりに参戦過程を説明した。
「今回で芝の適性を判断した上で、NHKマイルCへ向かいたい。センスのある馬ですから、勝算はあると思っています」
もともと米国・バレッツ社のトレーニングセール出身。昨年3月に12万ドル(当時約1200万円)でセリ落とされた。父ソトも種付け料5000ドルと中堅以下のクラスで、高額馬ではない。ただし、セリ前の公開調教で1F10秒台の好タイムをマークし、素質の片りんは見せていた。
同セール出身の外国産馬は「早熟でダート向き」が一般的な見方だ。調教時計が価格に直結するアメリカでは、デビュー前から徹底して鍛え上げる。結果として筋肉が付きすぎて成長が止まり、芝へ適応するための素軽さを欠くからだ。高島助手のコメントは、こうした先入観とは逆だった。
「入厩当初から、まだまだ筋肉が付きそうな感じ。ここまでは成長を止めないように調教はセーブし、競馬でいろんなことを覚えるように調整してきました」
さらに、芝への適性に関しても前向きに続けた。
「体形もダート短距離向きではないですね。柔らかみがあって凄いバネ。重い筋肉ではなく、ゴムマリみたいな感じです」
まさに規格外。常識を超えた逸材は、ダートと芝の壁も楽々と超えるのか。3歳のスーパーホース誕生へ、そのときが刻一刻と迫ってきた。
-スポーツニッポン-







