
「阪神大賞典・G2」(22日、阪神)
晩成のステイヤーだ。ニホンピロレガーロが天皇賞・春(5月3日・京都)の前哨戦で飛躍を狙う。母の父は快速馬ニホンピロウイナーだが、兄姉が活躍したステージはダートや中距離戦など多種多様。自身は準オープンの身で臨んだ前走の万葉Sを快勝し、長距離戦への適性の高さを証明した。今の充実ぶりなら、斤量増に相手強化もお構いなし。成長を遂げた6歳馬がG1馬を蹴散らす。
遅咲きの素質馬が開花する。ニホンピロレガーロの前走は格上挑戦で挑んだ万葉S。ハンデ差があったとはいえ、接戦を見事にモノにした。500万に在籍していたころからコンビを組む酒井も良化ぶりに感心しきりだ。「出負け気味のスタートだったので、腹をくくって後ろから。道中も力まなかったし、フワッとする分、長い距離が合いますね。距離を延ばしてからは崩れていませんから」と距離適性の高さを強調する。
デビュー戦が芝千四百メートルで、初勝利は芝千六百メートル。以降はダートに使われた時期もあった。ただ、開眼したのは芝の二千四百メートル。これまで5頭の兄姉を管理してきた服部師も苦笑する。「いろんなタイプの子が出る。ニホンピロキース(07年小倉記念2着)はまじめ過ぎたけどね。その点、レガーロは単走で追うと、ハミを抜いて抜いて、抜きまくり。だから長い距離が合うんだろう」。ほかに半兄にはダート戦線で活躍したニホンピロサートもいる。多彩な顔ぶれだが、その個性は長距離でマッチした。
これが風格なのか。鞍上も背中越しに上昇ぶりを感じ取っている。「ここ2週またがったけど、成長している。しまい重点でゴーサインを出してないのに、速い時計が出る。体の使い方がオープン馬らしくなったね」と力強くうなずいた。仕上がりと充実に師も胸を張る。「以前なら4角で学(酒井)がハミを取らせようと必死だった。今は反応が良くなった。前走後は2週間ほど放牧へ。休ませるとフワッとする馬だけど、いい感じできている。見せ場ぐらいつくらないかな」と話し、表情を緩ませた。
オープン勝ちの勢いで重賞突破といく。酒井も「メンバーは骨っぽいけど、天皇賞を目標にしているからいい目安になる。京都で結果が出ているけど、阪神が苦手なんじゃない。京都が競馬しやすいだけ」とコース克服にも力を込めた。充実一途の6歳馬が盾を見据えて快走を描く。
-デイリースポーツ-













