
皐月賞の出走権(3着以内)がかかったスプリングS・G2(22日、中山・芝1800メートル)に、3戦2勝のサイオンが挑む。脚部の負担を考えてダート戦で戦果を上げてきたが、満を持しての芝参戦だ。ターフでも抜群の決め手を発揮すれば、無敵を誇るロジユニヴァースの最大のライバルに浮上する。
秘めた素質は、どれだけなのか。サイオンの走りは、無限の可能性を感じさせる。昨年暮れにデビューし、ダート戦ばかり走って3戦2勝。レース運びは粗っぽいが、すべてに強烈な末脚を発揮してきた。
将来性の高さは、初戦からコンビを組む三浦が一番良く知っている。「セールスポイント? 兄弟はみんな短いところで前に行って粘るレースをしているけど、この馬はふざけて走っている。一生懸命過ぎないところですね。しまい、ちょっとだけ本気になる」
3戦とも課題を持ってレースに臨んだ。2勝目を挙げた前走は、馬群の中でもまれる経験をさせた。「前走は競馬らしい競馬ができた。レースに慣れてきている。初めてのことにも対応するし、柔軟性がありますね。成長力は評価していい」と皇成。
これまでは、ソエ(骨膜炎)の影響を考えてダート戦を使われていたが、いよいよ芝で真価を問う時がきた。「元々、芝で、と思っていた。スタートが芝だった前走の方が、ゲートが良かったから。こなすと思います。いきなりパンパンの馬場よりも、重い馬場の方が走りやすいと思う」19歳はあくまで前向きだ。
皐月賞の出走権(3着以内)がかかる。「まだ、教えていかなくてはいけないことがあるけど、僕にとっても勉強。今の完成度でも楽しみ」ときっぱり。「貴族の子孫」という意味を持つサイオンが、その名にたがわぬ走りを見せるか。
-スポーツ報知-













