
マーメイドS・G3(21日、阪神・芝2000メートル)の出走馬で、最も勢いがあるのは、ニシノブルームーン。500万から3連勝でオープン入りを果たした。好位抜け出しの競馬は、安定感抜群。重賞は初挑戦だが、持ち前の競馬センスと勝負根性で、大物食いを狙う。
ニシノブルームーンは、目下3連勝中。この春最大の上がり馬と言っていい。「先々週、先週と、坂路で49秒台が出ている。調子はいいし、勢いがあるからね」と鈴木伸調教師。静かな口調だが、その表情には自信が見て取れる。
脚部の弱さが、出世を妨げていた。けいじん帯に不安があり、デビューは3歳8月(07年)の新潟戦だった。それでも、いきなり芝1600メートルを1分34秒9の好タイムで優勝。「最初から能力のある馬だと思っていた」というトレーナーの期待通りの走りを見せた。2走目には、秋華賞トライアルの紫苑S(8着)にも出走したが、その後はコンスタントに使えない。昨年1月に2勝目を挙げたあと、暮れまで休養せざるを得なかった。
だが、そのリタイアが、事態を好転させた。「1年、棒に振ったのが良かった。なかなか治らなかったんだけど、今では心配ない」と鈴木師は言った。復帰してから着実に成績は上昇。3月の500万を手始めに、1000万−準オープンと制して、重賞出走にこぎつけた。「順調に使えるようになり、レースでも力を発揮できるようになってきた」と目を細める。
3連勝の着差は「クビ」「ハナ」「クビ」。いずれも接戦だった。今回は、昨秋のエリザベス女王杯を制したリトルアマポーラをはじめ、重賞ウイナーが待ち受けるが、鈴木師は不安より期待感を口にする。「競馬が上手。派手さはないけど、並ばれると抜かせない根性がある。そういう競馬になるといいね。ハンデの52キロも、53キロか54キロだと思っていたからラッキーだった」。強豪を倒して連勝を「4」に伸ばした時、遅咲きのニューヒロインが誕生する。
-スポーツ報知-












