今週から夏競馬がスタート。重賞は、阪神で牝馬限定のマーメイドＳ・Ｇ３（芝２０００メートル）が行われる。２９頭の登録馬で異彩を放つのが、ウェディングフジコだ。５月にパールＳを勝ち、５歳夏にしてオープン入り。デビュー３１戦目で初めての重賞参戦になる。所属するのは、先週のエプソムＣを、上がり馬シンゲンで制した戸田厩舎。牝馬路線にも新たな風を送り込むか注目だ。一方、リトルアマポーラは、昨年の３歳最優秀牝馬。今年２戦は〈７〉〈６〉着と結果が出ていないだけに、陣営は巻き返しに躍起だ。
雌伏の時を越え、ようやくたどり着いた夢の舞台。遅咲きの牝馬ウェディングフジコが、重賞初挑戦Ｖを目指す。
３歳１月にデビューしたが、なかなか勝利を挙げることができなかった。１０月に入り、番組からは未勝利戦が消え、１１月以降は“地方巡業”で５００万に格上挑戦。鋭い末脚を武器に見せ場は作るものの、２着と涙を飲むケースが多かった。
念願の初勝利は、４歳の３月。キャリアは１８戦を数えていた。「初めは、ソエ（骨膜炎）を痛がっていたので、思うような調教ができなかったけど、センスの高さは感じていた。我慢したかいがあったと思う」と斎藤助手は振り返る。
大きな壁をクリアしたことで、眠っていた素質が徐々に開花。１勝目を挙げてから、前走のパールＳまで１２戦したが、掲示板（５着以内）を外したのは、格上挑戦だったターコイズＳと、２走前の府中Ｓだけ。その府中Ｓも、敗因はフケ（発情）とはっきりしている。
「弱いところが解消されるにつれ、しまいの脚が、さらに確実に使えるようになった」と斎藤助手。ニューポリトラックコースで、フライバイワイヤー（３歳未勝利）と併せた１週前追い切りでは、鋭い反応で１馬身先着し、５ハロン６７秒１−１２秒７をマークした。
コンビを組む菊沢は、夏競馬は北海道を主戦場にしているが、今年は札幌行きを１週遅らせて阪神へ乗り込む力の入れようだ。一気の相手強化となるが、ハンデは５２キロ。付け入るスキは、十分にある。
「試金石の一戦になるけれど、輸送は苦にしないタイプだし、相手なりに競馬ができる馬。持っている能力を発揮できる状態であることは間違いない」と斎藤助手は期待十分。“長期熟成”ならではの、味わい深い走りを見せてくれるに違いない。
-スポーツ報知-
