
牝馬の最強マイラー決定戦「第4回ヴィクトリアマイル」の木曜追いが14日、美浦、栗東トレセンで行われ、美浦組のジョリーダンスが素晴らしい切れ味を披露。関係者絶賛の仕上がりで一躍、不気味な存在に浮上した。同レースは、15日に枠順が確定、16日から全国発売される。
G1登録馬がまとう、馬名が染め抜かれた“特殊ゼッケン”がなければ、誰も8歳牝馬の走りとは思わないだろう。三浦(レースでは四位)を背にWコースへと現れたジョリーダンスは、ポパイザセーラマン(5歳500万)を2馬身追走した。残り3Fから一気にピッチを上げ、直線は内へ。三浦の手は動いていないが、馬が自らグーッと前に出て1馬身先着した。ラスト1Fは12秒8の切れ。もちろん衰えは皆無。ベテラン牝馬の味というのも違う。伸び盛りの3歳牝馬のような、勢いとしなやかさがあった。
「以前より力を付けていますよ。最後も仕掛けていないのにスッと伸びた。いい走りですね」。三浦が感嘆する。力強い言葉で後押ししたのは僚馬の背から動きを見届けた菅沼助手だ。「いい反応だ。これまで勝った時以上に、体全体に弾力性がある」と、うなった。「以前はレースに使うとトモ(後肢)がヘナヘナになった。今はそんな感じを一切見せない。力強いトモになったよ。そして調子がいい時は調教で掛かる。僕も坂路で乗ったが、掛かってひと苦労だよ。そういう時は本当に調子がいいんだ」
騎手として重賞(90年カブトヤマ記念=ヒダカハヤト)も制した実績を持つ同助手のジャッジは正確だ。今春、キンシャサノキセキの高松宮記念追い切りにまたがった後「本調子までの感触はないかも」と首をひねった。見立ての通り、馬は10着に失速、判断の正しさを証明した。その実力派助手が絶賛するのだから、ジョリーの好調ぶりは半端ではない。
「過去最高の状態じゃないか。8歳といってもこの馬は別格。腰が良くなり、体全体にバネが出た。状態のベクトルはひたすら上向きだ。道中、掛からずに進めれば、しまいはしっかりと伸びる。力を存分に発揮できる仕上がりで、この体調ならそこそこ楽しめる」。切れを生かすためにも良馬場が第一条件。好天の下、8歳牝馬がウオッカに先着する、あっと驚く大アップセットがあるかもしれない。
-スポーツニッポン-










