
東京GI5連戦の2戦目は上半期の古馬女王決定戦・ヴィクトリアマイル。最も注目されるのは、今シーズン国内初戦になるウオッカだ。ドバイでの2戦は5、7着と期待はずれに終わり、コンビを組む武豊騎手も珍しく半年以上もGI勝ちから遠ざかっており、負けられない戦いになる。
昨年秋の天皇賞で、競馬ファンを興奮の渦に巻き込んだウオッカが、背水の陣でヴィクトリアマイルを迎える。ドバイでの2戦は、まさかの敗北の連続。今季、日本での初戦は、いきなり結果を求められる舞台となる。
「帰国後、体を回復させながらの調整だった昨年に比べると、比較にならないくらい状態はいいですよ。こちらに安心感を持たせてくれますね」
トレセン全休日だった11日朝も、清山宏明調教助手は明るい口ぶりでウオッカの状態を伝えた。ドバイからの帰国初戦というシチュエーションは昨年と同じだが、デビュー以来最も軽い体重(478キロ)で臨まざるを得なかった前年(2着)とは雲泥の差。7日の計量で502キロあった体重が、陣営に悲壮感ではなく自信を与えている。
楽な手応えで2番手を追走した前走のドバイデューティフリー。楽勝のシーンまであると思われながら、グラディアトラスの逃げ切りを許し、自身は7着と失速した。角居勝彦調教師も「馬を根本から見直さないと」とショックを受けたが、女傑は前年と違う回復ぶりで調子を上げている。
巻き返しに意欲を燃やすのは、鞍上の武豊騎手も同じだ。先週のNHKマイルCでも1番人気のブレイクランアウトで見せ場なく9着に敗退。昨秋、天皇賞を制した翌日にJBCクラシックをヴァーミリアンで制する離れ業を演じたが、それから半年以上もGI制覇から遠ざかっている。リーディング争いも全国3位に甘んじたまま。今回に賭ける意気込みは強い。
「馬はすごくいい雰囲気ですね。今回は東京のマイル戦ですから、変わってくるでしょう」
牝馬として最多記録タイのGI5勝目がかかる一戦。東京ではダービー、安田記念、天皇賞(秋)と3つのGIを制覇し、特に折り合いの心配がないマイル戦には絶対の自信を持っている。多くのファンが待ち望むウオッカとユタカの復活。国内の牝馬限定戦なら、自信を持って臨める舞台だ。
-サンケイスポーツ-










