
福島競馬も開催3週目に突入。今夏、初の重賞「第58回ラジオNIKKEI賞」が日曜メーンに組まれている。あと一歩のところで皐月賞、ダービー出走を逃したイコピコは前走・白百合Sを勝ち、ここへ駒を進めてきた。春の悪夢を繰り返さないため、何としても賞金を加算しておきたいところだ。
実りの秋へ。イコピコが福島の名物重賞に必勝態勢で臨む。皐月賞は除外、ダービー出走権を懸けたプリンシパルSは最速3F34秒0の末脚を繰り出しながら4着。続く白百合Sでは3F33秒8の剛脚で完勝。夢舞台に出られなかった無念を晴らした。
西園師は着実な成長に目を細める。「競馬を使うたびにどんどん強くなる。前走で破った相手(ヤマニンウイスカー)は、すぐ古馬相手に勝ったからね。粘り強い脚を使う上、切れもある。(前走で騎乗した)武豊君も乗りやすいと言ってくれたし、人間に従順なのも長所」
その言葉通り、レースセンスが最大の武器だ。3勝は、いずれも違うコース。初白星は小倉芝1800メートルで、ひとまくり。2勝目は阪神外回りの長い直線で一気。前走は3番手から抜け出す3歳馬離れした味な内容だった。
「小倉で勝つぐらいだから、コース形態の似ている福島も大丈夫でしょう。中間も順調で、状態は文句なし。福島は騎手時代、本当にお世話になった。厩舎開業後、福島で重賞を勝っていないので何とか勝ちたいです」。通算303勝を挙げた現役時代、唯一の重賞制覇が85年カブトヤマ記念のチェリーテスコだった。秋(当時は2開催)になると、毎年、2カ月間の長期滞在。思い出が詰まっている。「ファンの方も熱くてね。毎年13〜14勝は勝たせてもらった。日曜のレースが終わると、飯坂温泉や土湯温泉に行きましたよ」
秋は神戸新聞杯(9月27日、阪神)→菊花賞(10月25日、京都)が青写真。2勝目をプレゼントした田中勝との再コンビ。師の思い出の地で初タイトルを手に入れたい。「マンハッタンカフェ産駒だし、距離は延びても大丈夫だと思う。田中勝君も3走前に、うまく乗ってくれたからね。敵はハンデ(57キロ)かな?G1に胸を張って行くためにも、しっかりと賞金を上積みしたい」と指揮官は秋の頂上決戦を見据えている。(小田 哲也)
▽イコピコ ハワイ語で「頂上に」の意味。重賞へ、そしてG1へ。サラブレッドの頂点を目指すにふさわしい馬名だ。最近はカネヒキリ(ハワイの雷の精)、ホクレレ(ハワイ語で流星)、レイラニ(ハワイ語で天使のようにかわいい子)など、ハワイ由来の馬名が増えている。
-スポーツニッポン-












