
今季はJRAで21勝を挙げ、全国リーディング6位につける美浦・久保田厩舎が、期待馬ストロングガルーダをラジオNIKKEI賞に送り込む。ハンデ56キロ、1ハロン延長に加えて初の右&小回りコースと条件は楽ではないが、主戦の蛯名騎手、陣営とも「NHKマイルCに出したかった」と口を揃える好素材。課題をクリアして、秋のGI戦線を視野に入れたい。
昨秋の東京・くるみ賞で芝1400メートル1分21秒6(良)のレコードをマークしたストロングガルーダが休養明け2戦目のエーデルワイスSを完勝し、再び軌道に乗ってきた。
「前走は得意の距離でしたからね。予定通りの勝利でした」
直線で早めに抜け出す横綱相撲にも、尾形調教助手は当然と言わんばかりだ。くるみ賞後はトモの疲れやソエもあり、半年間ほど戦列を離れたが、じっくり休ませたことが奏効した様子。「すごい体になって帰ってきました。体重自体は変わっていませんが、中身がしっかりして筋肉ムキムキという感じですね」と陣営も驚くほどの成長を見せた。2走前のプリンシパルSは適性範囲を超える2000メートルで終いの伸びを欠いたが、2ハロン短縮した前走では“マイル前後なら ”という陣営の思いに応えた。
今回は小回り福島の芝1800メートルと条件はガラッと変わるが、「手前を替えるのがうまいので小回りは心配していません。距離もコーナーで息を入れられれば対応できる」と尾形助手は克服可能と分析。主戦の蛯名騎手はハンデ56キロだけに慎重だが、「前走の内容は良かったし、NHKマイルCで走らせたかったほどの馬だから」と改めてガルーダの能力の高さを口にする。30日は4ハロン64秒1でゆったり登坂。脚さばきは軽く前走の調子も維持できている。
開業7年目の久保田厩舎は今年は21勝で全国リーディング6位(関東3位、30日現在でJRA対象)と絶好調。これまでは07年の年間29勝が最高だが、今年は倍近いペースで勝ち鞍を量産。厩舎の勢いからも目が離せない。
「能力的には古馬オープン級。うちで言えばワイルドワンダー(07年アンタレスSなどダート重賞3勝)に近いくらい」と陣営が惚れ込むストロングガルーダがみちのく福島を克服し、自身の重賞初V、そして厩舎初の芝重賞獲得に乗り出す。(板津雄志)
-サンケイスポーツ-












