
元騎手・JRA調教師の保田隆芳(やすだ・たかよし)さんが1日午後9時21分、病気のため死去した。89歳。保田さんは騎手時代に天皇賞通算10勝(春3勝、秋7勝)を挙げた元祖“盾男”。また、米国遠征で習得した騎乗フォーム「モンキー乗り」を日本に定着させたことでも知られる。
保田さんは1934年に尾形藤吉厩舎の見習騎手となり、36年にデビュー。38年に18歳8カ月で阪神優駿牝馬(現オークス)をアステリモアで制してクラシック史上最年少Vを達成(54年JRA設立以降では武豊騎手の88年菊花賞=19歳8カ月が最年少)。58年にはハクチカラで日本馬初の海外遠征を果たし、米国で5戦騎乗(未勝利)。本場のモンキー乗りを習得し、帰国後、従来の天神乗りに代わる主流フォームとして定着させた。68年にはマーチスに騎乗して皐月賞を勝ち、八大競走完全制覇という偉業を成し遂げた。また、天皇賞10勝は08年に11勝目を挙げた武豊騎手に記録を破られたが、秋7勝は現在も最多。通算6143戦1295勝。
70年に騎手を引退し、翌年に調教師に転身。メジロマックイーンの祖父であるメジロアサマ(70年天皇賞・秋)や“天馬”トウショウボーイ(76年有馬記念、同皐月賞、77年宝塚記念)といった名馬を手がけ、97年の引退まで重賞17勝を含む通算3485戦334勝。04年には騎手顕彰者として競馬殿堂入りを果たした。
-サンケイスポーツ-












