
JRAの3歳クラシック第一冠・第69回GI皐月賞(4月19日、中山2000メートル芝)へ向けたトライアルレース、第46回GII弥生賞が8日、本番と同じ中山競馬場2000メートル芝で行われ、単勝130円の圧倒的支持を集めた横山典弘騎乗の1番人気ロジユニヴァース(牡3=萩原厩舎)が2着以下に2馬身半差をつける逃げ切り快勝。これでデビュー以来負けなしの4連勝を飾り、無敗のままクラシックに臨むことになった。やや重馬場の勝ちタイムは2分3秒5。
また、1990年メジロライアン以来となる同レース2勝目を挙げた横山典は、7日のGIIIオーシャンSに続く2日連続の重賞制覇。さらに先週1日のGII中山記念も制しており、自身初の3開催日重賞Vとなった。
なお2着には道中2番手からそのまま粘りこんだ5番人気ミッキーペトラ(牡3=森厩舎)、さらに半馬身差の3着には7番人気モエレエキスパート(牡3=奥平厩舎)が入線。この上位3着馬までに皐月賞への優先出走権が与えられる。
なお2番人気に支持された昨年の2歳王者セイウンワンダー(牡3=領家厩舎)は、伸びを欠いて8着に敗れた。
文句なしの圧勝。2歳王者すらもまるで相手にせず、悠々の逃げ切りV。この勝利で、クラシック第一冠・皐月賞への道が大きく開けた。
関東の期待を一身に背負った無敗馬の今年初戦は、大外枠から好スタートを切るとサッとハナを主張。この意外な戦法にスタンドはどよめいたが、レース後の横山典はサラリとこう明かした。
「前に行く馬が何頭かいましたけど、あまりペースが遅くなるのもイヤだったからね。休み明けでちょっとテンションが高かったし、楽に走らせてあげたいと思って、逃げることも考えていた。奇襲でも何でもないですよ」
この逃げの一手に競りかけてくる馬はなく、向こう正面は1ハロン13秒のマイペースで進行。3〜4コーナーで後続を十分に引き付けると、直線は待ってましたのゴーサイン。ロジユニヴァースは一気に弾け、アッと言う間に3馬身のセーフティーリードで突き放した。
「休み明けだし、どうなるかなと思ったけど、言うことないですね。いい内容でした」
満点の評価をつけた横山典のステッキは、ついに振り下ろされることなく見せ鞭のみ。ラスト50メートルは流す余裕さえ見せつけての完勝だ。控えても強いが、逃げても強い。昨年12月以来、約3カ月ぶりの競馬で見せた愛馬の成長に、横山典の表情も自然と緩む。
「どこがどう変わったというところはないんですけど、全体的に良くなっていますね。実戦を積むにつれてレースの雰囲気にも慣れている。順調に行ってくれれば、もっと良くなりますよ」
もちろん、視線の先に見据えているのはクラシック三冠。まずは4月19日の第一冠・皐月賞だ。
「1カ月後をワクワクしていますよ。いい素材を持った馬だし、僕自身久しぶりにクラシックを意識できる馬です」
1998年セイウンスカイ(皐月賞・菊花賞)以来、11年ぶりクラシック制覇への大きな手応えをハッキリ明言した横山典。2004年皐月賞のダイワメジャーから続く関東馬の牡馬クラシック連敗ストップへ、そして父ネオユニヴァースに続く父子2代制覇へ、ロジユニヴァースが不動の主役として、いざ皐月賞を獲りに行く。
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