
第27回中山牝馬S・G3(15日、中山・芝1800メートル)を最後に現役を退く06年の桜花賞馬キストゥヘヴンは11日、美浦トレセンのニューポリトラックコースで追われた。平凡な時計に終始したが、ラストランに向け、ぬかりのない仕上がりだ。昨年の覇者、ヤマニンメルベイユは、同コースで軽快な脚さばき。連覇へ、態勢を整えた。
ラストランといえども、特別なことは必要ない。このレースを最後に繁殖生活に入るキストゥヘヴンは、ニューポリトラックコースを単走で追われた。鞍上の手はゴールまで全く動かず、馬なりのまま5ハロン66秒2。直前の調教を軽くする、いつものメニューだ。
「先週、その前と、2週続けて併せ馬でしっかりやっているので、これで大丈夫」と戸田調教師。前走の東京新聞杯(10着)は、勝ち馬から1秒以上離されたが「馬場が悪過ぎてのもの。この馬の競馬が全くできなかったからね」。本来の走りをすれば、十分に巻き返せると意気込んだ。
厩舎にとって初の重賞(フラワーC)、そして初のG1(桜花賞)をもたらしてくれた“孝行娘”。それだけに、トレーナーも有終の美を飾ってほしいという気持ちが強い。「他の馬と斤量差があるのは確かだけど、過去にも背負ったことがあるからね。若い時よりも力をつけているし、こなしてくれると思う」。今回は、約2年ぶりとなる横山典とのコンビ。目下重賞3連勝中と、絶好調の鞍上を迎え、最高の“エンディング”を狙う。
-スポーツ報知-











